2014年4月1日火曜日

家持の越中万葉を音読する

4月です。新年度です。鞍田朝夫「話し方教室」は5年目を
迎えます。今年度は、発声発音練習として、これまでの「口
の体操」に加えて、大伴家持が万葉集に残した越中ゆかり
の歌の音読に取り組みたいと考えています。家持の「越中
万葉」を時と場所を気にせず声に出してみることを日々の
習慣にしてもらいたいと思っています。
「越中万葉」とは、万葉集を編纂した大伴家持が越中国守
として、いまの富山県高岡市伏木に赴任した天平18年(
746年)から5年間に詠んだ歌を中心にした越中ゆかりの
多くの歌々を言います。因みに、万葉集全5416首のうち
473首が家持の作だと言われています。そのうちのほぼ
半数の223首が越中国守在任中に詠まれた歌なのです。
これに、家持の部下たちが詠んだ歌々を加えた337首が、
いわゆる「越中万葉」と言われるものです。
教室では、家持の詠んだ万葉歌、とりわけ、二上山、立山、
射水川、雄神川、奈呉の浦、英遠の浦、布勢の水海など、
富山県の万葉故地が詠み込まれた歌を毎回2首ずつ音読
していきます。平成22年度の教室では、百人一首の音読
に取り組んでもらいました。和歌の音読は、発声発音練習
としてとても有効だと考えます。現代語と違う発音の言葉が
あり滑舌練習にもなります。声に出して読む教材としては
とても手軽で効果が期待できる適材だと思います。暗誦
できれば、ながら練習にもってこいです。加えて、家持が
触れた越中の豊かな自然や風土、人情などを思い浮かべ
ながら音読することは、自らの情操や感性を磨く意味でも、
とても意義あることと考えます。
関心のある方は、ぜひ教室にご参加ください。
鞍田朝夫「話し方教室」、4月は「明るい声で話す」「歯切れ
よく話す」をテーマに、6日と20日の午前10時から富山県
教育文化会館5階の504号室で開きます。