2020年12月1日火曜日

全集中の呼吸

先月は、明治大学の齋藤孝教授が「鬼滅の刃」と呼吸法について話していたことを書きました。 その後、順天堂大学医学部の小林弘幸教授が週刊誌やラジオで「鬼滅の刃」の「全集中の呼吸」について取りあげていました。 ▼小林教授は、自律神経研究の第一人者で、健康にとって呼吸で細胞にどれだけ質のいい血液を流すことができるかが とても重要だと説いています。「鬼滅の刃」の中の、鬼と対峙しワザを繰り出す時に行なう「全集中の呼吸」の考え方と似ていると いうのです。つまり、「体の隅々の細胞まで酸素が行き渡るよう、長い呼吸を意識しろ。体の自然治癒力を高め、精神の安定を もたらす」というわけです。 ▼小林教授によれば、自律神経には交感神経と副交感神経があり、車で喩えるなら、前者はアクセルで後者はブレーキだ。 この両神経のバランスをとることがとても重要で、ストレスの多い現代社会では交感神経ばかりが刺激されやすく、自律神経が アンバランスになりやすい。そこで呼吸が大切になる。「吸う」行為が交感神経を刺激し、「吐く」行為が副交感神経を刺激するが、 深くゆっくり「吐く」ことを意識することで副交感神経を刺激し自律神経のバランスを保つことができる。というのです。 ▼よい呼吸とは、意識して深くゆっくり吐くことだそうです。よい健康にはよい呼吸が欠かせないということです。してみれば、 教室で毎回やっている発声練習や滑舌練習を「全集中の呼吸」に倣って行なえば、よい呼吸とよい健康の実践機会になると いえそうです。意識して一息を長く、ゆっくり、しっかり発声発音する。一石二鳥にも一石三鳥にもなりそうです。 ▼さて、12月の鞍田朝夫「話し方教室」は、6日と20日に開講します。午前10時から12時まで富山県民会館で開きます。 学習テーマは、6日が「起承転結で話す」、20日が「絵を描くように話す」です。入会を希望する方の事前見学を受け付けます。 予め、☎076-431-3248かEメールkurata2347@gmail.comへご連絡いただければ幸いです。

2020年11月1日日曜日

鬼滅の刃と呼吸法

先日ラジオで、明治大学の齋藤孝教授が人気漫画「鬼滅の刃」と呼吸法について話していました。 ▼「鬼滅の刃」といえば、アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が大ヒット中です。先月16日に全国公開されるや コロナ禍にも拘わらず興行収入が最速記録を伸ばしているといいます。評判に駆られて観てきました。確かに、様々なシーンで 呼吸を整えることが強調されていました。 ▼原作の「鬼滅の刃」は、鬼に家族を殺された主人公の竃門炭治郎が、鬼と化した妹を人間に戻すために闘う物語です。 齋藤教授によれば、人間が鬼をやっつけるには大変な集中力とワザが必要で、炭治郎は剣のワザと呼吸法をセットにして 闘っているというのです。全集中という闘うための呼吸法で集中力を高めているのだそうです。 ▼そもそも呼吸法とは、呼吸(息)のしかた、その方法とそれを使った訓練法のことをいいます。体の機能の向上を図るもの、 心の働きを活性化させるもの、心を落ち着かせるもの、心身全体の調和を目指すもの、等々があります。 ▼話し方においても呼吸法がとても大切です。吐く息で声帯を震わせて発声し、舌や唇、歯などをコントロールしながら発音します。 その際の呼吸法として横隔膜を使う腹式呼吸が最善とされています。齋藤教授には、「声に出して読みたい日本語」という著書が ありますが、発声発音を通じて腹式呼吸の訓練をすることをテーマにしているのだろうと推察します。 ▼声を出すことは全身運動です。発声発音するには様々な器官や筋肉を使います。教室で毎回やっている滑舌練習やコラムの音読は、 心や体を整えることにも役立ているかもしれません。 ▼さて、11月の鞍田朝夫「話し方教室」は、きょう1日と15日に開講します。午前10時から12時まで富山県民会館で開きます。 学習テーマは、1日が「ひとつだけを話す」、15日が「三段階話法で話す」です。入会を希望される方の事前見学を受け付けます。 予め、☎076-431-3248かEメールkurata2347@gmail.comへご連絡いただければ幸いです。

2020年10月1日木曜日

下期の学習テーマと日程

10月です。令和2年度も下期に入りました。今年度上期は、新型コロナの感染拡大で4月と5月の教室を休講しました。 4月は、3月30日に富山県で初めて感染者が確認されたのを受けて急きょ休講しました。その後、4月7日に東京など 7都府県に緊急事態が宣言され、さらに、4月16日にはその対象が全国に拡大されました。富山県でも緊急事態が 宣言され外出の自粛が呼び掛けられたのを受けて、やむなく5月の教室も休講しました。しかし、深刻な感染の拡大が 少し落ち着きを見せ5月14日に富山県など39県の緊急事態宣言が解除されたので、2ヶ月遅れで6月から教室を 開いています。 ▼今後は、新型コロナと季節性のインフルエンザとの同時流行が懸念されていますが、再び緊急事態が宣言されるような 深刻な状況にならない限り、当初の予定通り第1日曜日と第3日曜日に開講していきたいと考えています。 ▼以下、下期の学習テーマと日程をご案内します。◎10月4日・・・話材を整理して話す◎10月18日・・・突然指名されて話す ◎11月1日・・・ひとつだけを話す◎11月15日・・・三段階話法で話す◎12月6日・・・起承転結で話す◎12月20日・・・絵を描くように話す ◎1月10日・・・5W1Hで話す◎1月17日・・・エピソードで話す◎2月7日・・・正しい敬語で話す◎2月21日・・・わかりやすい表現で話す ◎3月7日・・・話し読み練習法で話す◎3月21日・・・整話練習法で話す ▼10月の鞍田朝夫「話し方教室」は、4日と18日の午前10時から12時まで富山県民会館608号室で開きます。 入会を検討される方の事前見学を受け付けます。コロナ禍ですので感染予防のためマスクをしたままでの教室です。 少し窮屈かもしれませんが、ご承知置きのうえご参加ください。 予め、☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.comにご連絡いただければ幸いです。

2020年9月1日火曜日

日本語のバイリンガル

五木寛之さんの随筆集「大河の一滴」を読みました。21年前の 平成11年に初版が発行され、今年の6月には46版が発行された 超ロングセラーです。ふと立ち寄った書店で段積みされていました。 新型コロナで不安が蔓延する今だからこそ、五木さんの人生観や 価値観が改めて共感を呼んでいるのでしょう。 「生きるヒント」「人間の覚悟」「孤独のすすめ」など、五木さんの著書は 何冊か読みました。生き方や考え方に数多くの示唆を得てきました。 「大河の一滴」では、地方の方言と共通語に対する五木さんの随想を 興味深く読みました。概略は以下の通りです。 「私たちは英語やフランス語など外国語の習得に長い時間を費やすが、 もっと大事なことは、母国語である日本語、方言と共通語の二つを区別し、 片方では正しく美しい方言を磨きあげ、それを伝えていく。もう一方では、 ちゃんと努力して正しく美しい共通語を話せるように、子供のころから 教育していく。そして、家庭などの私的な場所では方言を喋り、一方、 公式な場面ではきちんとした共通語を喋ることができる。こんなふうに 日本語のバイリンガル、二つの言葉を自由に操ることができるように なったとき、日本の文化が表情豊かな奥行きの深いものになっていく のではないかと考えることがある・・・・・」 富山の方言のなかで生まれ育ち、アナウンサーを目指して標準語の 習得に苦闘した者の一人として、”日本語のバイリンガルたれ”という 五木さんの考え方に膝を打って共感・共鳴しました。 さて、9月の鞍田朝夫「話し方教室」は、6日と20日に開講します。 午前10時から12時まで富山県民会館608号室で開きます。 学習テーマは、6日が「初めてのスピーチで話す」、20日が「いい切り出し と結びで話す」です。教室の事前見学を受け付けます。 予め、☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.comに ご連絡いただければ幸いです。

2020年8月1日土曜日

探究と精進

先月、史上最年少で将棋のタイトル「棋聖」の称号を手にした 藤井聡太さんは、快挙を達成した翌日の記者会見で”探究”と 揮毫した色紙を披露していました。前日の対局直後の会見では 「これからも”精進”していい将棋を指していきたい」という今後の 抱負を語っています。 探究と精進・・・実に藤井新棋聖らしい言葉だと噛みしめました。 14歳でデビュー以来、将棋界の最年少という記録を次々と塗り 変えてきた藤井棋聖は、節目節目に発した言葉遣いでも周囲を 驚かせてきました。デビュー後11連勝を決め「自分の実力から すると”望外”」、18連勝して「序中盤は”茫洋”としていて・・・」、 20連勝を達成し「”僥倖”としか言いようがない」、27連勝した 後「多彩な駒の特性を生かして進めるのも”醍醐味”のひとつ」、 28連勝して「いずれ“平均への回帰”が起こるのではないか」 等々・・・、大人でもあまり知らないような、少なくとも、頻繁には 使わない、とても10代の少年とは思えない言葉遣いです。 彼の多彩な語彙力は、小学時代からの読書量によるのだろうと 言われています。小学校5年生で司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を 全巻読破したといいます。小さい時から常に活字と親しんできた のでしょう。してみると、これまでの語録の数々は、単なる漢字の 学習で身につけたものとは違う深長な思いが込められていたと 思われます。先月の棋聖タイトル獲得後の”探究”と”精進”と いう言葉にも、大人が日頃何気なく使っているのとはまったく違う 深遠で強固な決意が秘められていたに違いありません。 さて、8月の鞍田朝夫「話し方教室」は、あす2日は予定通りに 開講しますが、16日は休講とします。どうぞご承知置き下さい。 なお、2日の学習テーマは「3分間で話す」です。お問合わせは、 ☎076-431-3248かkurata2347@gmail.comに、ご連絡 いただければ幸いです。

2020年7月1日水曜日

悩みの先に・・・

何事にも、思うような成果が得られず悩むことがあるものです。
しかし、悩むこと自体はそれなりに意義あることだと思います。
悩みの先にしか答えがないのですから・・・。
先日、受講生のひとりから以下のようなメールを貰いました。
「人から質問された事柄に対して、どう答えるべきか、どういう
話し方をしたら簡潔に伝わるのか、などを考えながら話すと、
つい『え~っと』になります。主語は言ったか、いつ、どこで、が
抜けていないか、文章は短いか、などが気になってスラスラと
喋れません」と、自分の話し方について悩みを吐露するもの
でした。
私たちは、人前で話すとき、「心境、思考、声」を動力源にして
います。緊張せず自信があるか、話す内容が決まっているか、
大きな声で歯切れがいいか、などを意識しながら話しています。
できれば、この3つの動力源がいつも完璧に揃っていることが
理想です。そして、話し方の学習や訓練ではそれを目指すこと
になります。しかし、それは決して簡単なことではありません。
よって、あれやこれやと悩み考えることになります。
悩みの先に答えの何某かがあるとすれば、まず1つ、あるいは
2つの動力源をしっかり身につけて安心の材料にすることです。
そうすれば、仮にどれかが不安定でも、残りでそれを補うことが
できます。つい出てしまう『え~っと』は確実に減ると思います。
例えば、自信がなく緊張していても話す内容がちゃんと決まって
いれば、あるいは、大きな声で元気に話すことができていれば、
自分なりの微かな手応えを感じるはずです。その積み重ねが
悩みの先に・・・確かな答えを見つけることになるのです。
さて、7月の鞍田朝夫「話し方教室」は、5日と19日に開講する
予定です。午前10時から富山県民会館の608号室で開きます。
学習テーマは、5日が「話しかけるように話す」、19日が「間を
取って話す」です。関心のある方の事前見学を受け付けます。
☎076-431-3248  か Eメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。

2020年6月1日月曜日

教室再開へ

6月です。新型コロナウイルスの感染拡大で4月と5月の
教室を休講しましたが、今月から再開しようと考えています。
コロナが終息したわけではないので心配は心配なのですが、
感染に気をつけつつ教室を進めたいと思っています。
処で、いま話題のベストセラー「話すチカラ」を読みました。
明治大学の齋藤孝教授とTBSアナウンサー安住伸一郎
さんが共著した本です。二人の対談や安住アナが後輩の
明治大学の学生達に講義した内容をそのまま書き起した
構成になっていてとても読みやすく、また、「15秒以内で
短く話す」「伝わりやすい話し方、声の質を意識する」など、
話すチカラを養うノウハウが項目別に取り上げられていて
とてもいい教材だと思います。
安住アナは、巻頭の「はじめに」で、齋藤教授との出逢い
や今回の出版に至ったいきさつなどを紹介するとともに、
「芸能の世界には『演者は観客が育てる』という言葉が
あります。とにかく人前で話す実践こそが、話すチカラを
養います。」と述べています。実践こそがチカラを養う・・・
同感です。その通りだと思います。
さて、6月の鞍田朝夫「話し方教室」は、新型コロナが再び
感染を広げて緊急事態がまた宣言されないかぎり、7日と
21日に開講する予定です。午前10時から12時まで富山
県民会館608号室で開きます。学習のテーマは、7日が
「簡潔に話す」、21日が「短いセンテンスで話す」です。
コロナ対策を意識しながらの教室再開ですので、いつもと
勝手が違うかもしれませんが、受講生の皆さんにとって
有意義な”話すチカラを養う場”となれば幸いです。

2020年5月1日金曜日

日日是漸進

5月です。新型コロナウイルスの蔓延による緊急事態宣言下、
大型連休に入っています。折角の黄金週間なのに「巣ごもり
週間」を決め込んで我慢する人々の口惜しいい思いをよそに
感染拡大は収まる気配がありません。感染者は増加の一途を
辿っており医療崩壊の危機が懸念されています。
11年前に映画館で観た「感染列島」をレンタルDVDで改めて
観ました。未知のウイルスによる感染症の恐怖と闘う人々の
姿を描いたパニック映画です。ある日、新型インフルエンザに
感染したと思われる救急患者が運び込まれてきます。しかし、
あらゆる治療の甲斐なく患者が死亡。やがて、医療スタッフや
入院患者にも感染が広がり、病院はパニックに・・・
かつて映画の中のフィクションとして観た医療現場の混乱は、
今まさに各地の病院で起こっている現実なのかもしれないと
実感させられ慄然としました。
わが富山県は、3月末に初めて感染者が確認されるまでは
数少ない感染者ゼロの県だったのに、その後あっという間に、
公立病院での院内感染や老人保健施設での集団感染などが
相次いで起こり、人口当たりの感染率が全国ワースト3位の
深刻な状態です。
いつになれば感染が終息するのか、今の処見通せません。
しかし、「いつかは必ず終息する」といいます。ということは、
日々気をつけ行動することが一歩一歩終息に向かっている
ことになります。「日日是漸進」の先に出口の光があることを
信じて頑張るしかありません。
さて、4月の鞍田朝夫「話し方教室」は、新型コロナの感染が
富山県内でも確認されたのを受けて休講しましたが、5月も、
全国に緊急事態が宣言されていることから、引き続き休講
することにしました。6月には是非とも開講したいものです。
富山県民会館のHPの文化教室一覧に教室の要項を掲載
しています。ご参照下さい。開講の折には見学を受付けます。 
☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com へ
予めご連絡いただければ幸いです。

2020年4月1日水曜日

令和2年度の学習テーマと日程

4月です。新型コロナウイルスの感染終息が見通せないまま
新年度を迎えました。春を満喫できない毎日です。そんな中、
富山県期待の朝乃山の大関昇進に春の歓びを味わいました。
一昨日から新大関として綱取りに向けて始動したといいます。
朝乃山の飛躍と県人力士として111年ぶりの横綱誕生への
期待を免疫力に新しい年度を踏み出したと思います。
さて、今年度の鞍田朝夫「話し方教室」は、例年通りの要領で
開講する予定でしたが、富山県内でも新型コロナの感染者が
確認され広がりが危惧されることから、4月の教室は休講する
ことにしました。以下、学習テーマと日程をご案内します。
 4月 5日・・・明るい声で話す(休講)
 4月19日・・・歯切れよく話す (休講)
 5月 3日・・・上がらないで話す
 5月17日・・・口癖を直して話す
 6月 7日・・・簡潔に話す
 6月21日・・・短いセンテンスで話す
 7月 5日・・・話しかけるように話す
 8月 2日・・・3分間で話す
 8月16日・・・具体例で話す
 9月 6日・・・初めてのスピーチで話す
 9月20日・・・いい切り出しと結びで話す
10月 4日・・・話材を整理して話す
10月18日・・・突然指名されて話す
11月 1日・・・ひとつだけを話す
11月15日・・・三段階話法で話す
12月 6日・・・起承転結で話す
12月20日・・・絵を描くように話す
 1月10日・・・5W1Hで話す
 1月17日・・・エピソードで話す
 2月 7日・・・正しい敬語で話す
 2月21日・・・わかりやすい表現で話す
 3月 7日・・・話し読み練習法で話す
 3月21日・・・整話練習法で話す
関心のある方のご参加をお待ちしています。見学を受付けます。
予め☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。

2020年3月1日日曜日

朝乃山の大関とりに思う

3月です。わが郷土期待の大相撲関脇の朝乃山が大関とりに
挑戦する春場所が、いよいよ8日に大阪で開幕する予定です。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、きょう開く
臨時の理事会で開催について最終判断するということです。
朝乃山には、近畿大学時代に過ごした第二の故郷の大阪で
大関昇進を懸ける大勝負をさせて挙げたいと願うばかりです。
ところで、少年の頃、私は朝潮のファンでした。第46代横綱で
第3代の朝潮のことです。鹿児島県徳之島出身で、濃い胸毛と
太い眉毛がトレードマークの人気力士でした。四股名の「朝」の
字に自分の名前の「朝」の字を重ねて親近感を覚えファンに
なりました。少年の動機など単純なものです。爾来60年余り、
朝潮が所属していた高砂部屋の力士に特別な思いを抱いて
応援してきました。もちろん、現役時代に「大ちゃん」の愛称で
人気者だった4代目の朝潮、朝乃山の師匠の高砂親方にも
熱い声援を送ってきました。
奇遇というべきか、この2人の朝潮にとって大阪の春場所は
とても験のいい場所でした。第3代朝潮は、5回の優勝のうち
4回を大阪場所で達成し、大関昇進も横綱昇進も大阪場所で
決め、四股名の「朝潮太郎」をもじって「大阪太郎」と呼ばれて
いました。また、第4代朝潮も大阪場所で初優勝し大関昇進を
果たしているのです。
朝乃山にも、期せずして準地元で巡ってきたチャンスを生かし、
一気に大関昇進を果たして貰いたいものです。そして叶えば、
高砂部屋の由緒ある四股名「朝潮太郎」の5代目を襲名して
貰いたいものだと、切に思うのですが・・・
さて、3月の鞍田朝夫「話し方教室」は、きょう1日と15日に
開講します。午前10時から12時まで富山県民会館608号室
で開きます。学習テーマは、1日が「話し読み練習法で話す」、
15日が「整話練習法で話す」です。教室の見学を受付けます。
事前に、☎076-431-3248 か kurata2347@gmail.com へ
ご連絡いただければ幸いです。

2020年2月1日土曜日

新聞の見出しを学習材に

新聞の見出しに思わずひざを叩いて感心することがあります。
とりわけ、スポーツの記事には出色の見出しが多くあります。
大相撲初場所で郷土期待の朝乃山の活躍を伝えた地元紙の
北日本新聞の特別紙面にも、「そうだ、そうだ」と共感し感銘を
受けた見出しがあふれていました。
  大関候補は、前へ右差せずとも 化の証見せた、完璧踏み込み
  安定感◎、 ぁ~ 悔しい  連勝 ストップ痛っ 連敗  巧者 遠藤に屈す
  隙見逃さず反撃 恩師急逝 涙の白星ズルッ 足滑った 「勝ちたい」
  強引な攻め反省、上手絶対離さぬ 豪快投げ、土俵際 暗転 詰め甘かった
  炎鵬に不覚 切り替えろ 大関陥落させた結びの一番  世代交代だ、
  通過点2桁諦めない、土俵際渾身 黄金の左 耐えた投げた10勝
  見えた、出世街道 一直線  背水の陣から4連勝 10勝到達 大関とりへ・・・
今読み返しても、テレビ桟敷で手に汗した朝乃山の15日間が
蘇ってきます。
ところで、新聞の見出しは記事の内容を一目で伝える、いわば
タイトルです。記事の根幹が凝縮されコンパクトに印象深く表現
されています。一見して記事の内容をわかってもらえるように、
そして、読みたいと思ってもらえるように工夫されているのです。
また、読者が見出しを見て文章にすることができるように考えて
付けられています。
ですから、新聞の見出しは話し方の学習材としてとても有用だ
と思います。新聞の見出しには、柱見出し、肩見出し、主見出し、
袖見出しなど、役目に応じた名前があるようですが、それらの
見出しを一見し、記事を一読し、見出しをメモ代りに記事内容を
掻い摘んで話してみる、ということを日頃の習慣にすることで、
話し方は確実に向上するものと考えます。
さて、2月の鞍田朝夫「話し方教室」は、2日と16日に開きます。
いずれも、午前10時から12時まで富山県民会館608号室で
開講します。学習テーマは、2日が「正しい敬語で話す」、16日
が「起承転結で話す」です。関心のある方の見学を受付けます。
☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
事前に連絡いただければ幸いです。

2020年1月1日水曜日

新年、いざ打ち行かな

「令和」最初の正月が明けました。富山は寒い元旦です。
新しい元号は、万葉集に詠まれた「梅花の歌」の序文に
ちなんだもので、「初春の令月にして、気淑く風和ぐ」が
典拠とされています。気持よく風が和らぐ梅花の季節の
訪れが待たれます。
ところで、新元号の典拠となった万葉集は、大伴家持が
編纂したとされています。その家持は天平18(746)年に
越中国守として今の高岡市伏木に赴任し5年の在任中に
223首もの歌を詠みました。万葉集には473首の家持の
歌が集録されていますが、そのほぼ半分が越中国守時代
に詠まれていることになります。それほどに越中の自然や
四季の移ろいなどが家持の詩情をかきたてたのでしょう。
越中での家持は、生涯で最も精彩を放ち独創的な歌境を
開いたとされています。その家持が越中に赴任して最初に
開いた宴の席で詠んだ歌があります。
「馬並めていざ打ち行かな 渋谿の清き磯廻に寄する波みに」
”さぁ、皆で渋谿の海を見に行こうじゃないか”という訳です。
新天地で勇躍する家持の意気込みが偲ばれます。
渋谿の磯は雨晴海岸のことです。近くの海浜は少年時代に
海水浴をして遊んだ我が生れ故郷です。国庁跡の勝興寺、
家持の官舎跡の伏木測候所、二上山や田子の藤波神社、
等々の越中万葉の旧跡や故地は我らが郷土の誇りです。
それだけに「令和」最初の正月を特別な感慨で迎えました。
新任の国守として踏み出した家持が歌に込めた心意気を
想像しつつ、家持にあやかって「新年、いざ打ち行かな」と
自らを鼓舞しているところです。
さて、鞍田朝夫「話し方教室」は、今年も、毎月第1日曜日と
第3日曜日に開講する予定ですが、1月5日は休講します。
今年最初の教室は19日に開きます。学習テーマは「エピソ
ードで話す」です。関心のある方の見学を受け付けます。
☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。