2019年12月1日日曜日

アクセントと音感

先月に続いて、日本語のアクセントについて取り上げます。
日本語は個々の語の音の高低でアクセントをつける言語
です。発音の強弱によってアクセントをつける英語などに
比べて、日本語はアクセントと音感とに密接な関係がある
言葉だと言えます。
ところで、私達は生まれた地域の音感の中で言葉を交わし
暮らしています。住んでいる地域によってほとんどの人が
その地域の音感に合わせてアクセントし話しているのです。
例えば、富山生まれの人は、日常交わす言葉を大体同じ
アクセントで発音しています。また、新しい単語(造語)が
出てきてもほぼ同じアクセントで発音します。これは、富山
ならではの音感がその人の頭の中でアクセントの法則の
ようなものとなって蓄積され、その法則に合わせて発音して
いるからだと思われます。
そこで、地方の人が標準語アクセントを習得しようと思えば、
生来の自分の音感を東京アクセントの音感に変える努力が
必須ということになります。その努力とは、先月も書いた通り、
基本的な幾つかの単語のアクセントを覚えること、品詞ごと
のアクセントの法則を覚えることであり、これが近道です。
もっとも、東京のアクセントと地方のアクセントに優劣や正否
があるわけではありません。また、アナウンサーでない限り、
皆が東京のアクセントにしなければならないというわけでは
ありません。時に故郷の訛りも味がありいいものです。ただ、
テレビやラジオの影響か、東京の音感が普遍化し地方でも
標準語アクセントで話す人が随分増えているように思います。
ですから、鞍田朝夫「話し方教室」では、日頃の発音練習や
滑舌練習を通じて標準語の音感を実感し、興味のある人は、
自然な形で標準語のアクセントを体得して貰えればと考えて
います。
さて、12月の鞍田朝夫「話し方教室」は、1日と15日に開講
します。学習テーマは、1日が「絵を描くように話す」、15日が
「わかりやすい表現で話す」です。関心ある方の見学を歓迎
します。☎076-431-3248 か kurata2347@gmail.com
事前にご連絡いただければ幸いです。

2019年11月1日金曜日

アクセントを意識する

ある日の教室の練習スピーチで、自分の話すアクセントに
逐一直しを入れてくる友人の話を紹介した受講生がいます。
二人で東京の街を歩きながら何気なく話した一語一語にも
そのつどアクセントの間違いを指摘されたということです。
もともとアクセントに強い関心を持ち入会した受講生ですが、
さすがに、親しい友との和やかな談笑にしたいのに、話す
前に一瞬考えてしまい、しゃべれなくなってしまったと苦笑
していました。
聞けば、その友人は、話し方だけでなく、化粧や着こなし
など、なにくれとなく忠告してくれる人で、いつも、そのアド
バイスは的確なのだといいます。この時も「せっかく話し方
教室に通っているのだから、普段からアクセントを意識する
ようにしなさい。」という、友情のアドバイスだったのだろうと
述懐していました。
確かに、標準語アクセントの習得には、普段から意識する
ことがとても大切です。というのは、標準語のアクセントを
マスターするには、基本的な幾つかの単語のアクセントと
品詞ごとの様々な法則を覚えることが必要です。その上で、
個々の語のアクセントを法則に沿って類推しながら話して
いくことになるのです。だから、普段から常にアクセントを
意識することがとても大切なのです。
鞍田朝夫「話し方教室」では、アナウンサー養成を目的に
している教室ではないので、敢えて、アクセントの学習に
力を入れることはしていませんが、毎回必ず行なっている
発声や発音練習、滑舌練習を通じて、標準語アクセントを
音感として自然に体得してもらえればと考えています。
さて、11月の鞍田朝夫「話し方教室」は、3日と17日に
開講します。10時から12時まで富山県民会館608号室で
開きます。学習テーマは、3日が「3分間で話す」、17日が
「具体例で話す」です。関心のある方の見学を受け付けます。
☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
ご希望をご連絡いただければ幸いです。

2019年10月1日火曜日

俳句を始めてみようかな

10月です。秋本番です。思う処があって、俳句の入門書と
歳時記を買いました。というのは、俳句は一生の趣味として
楽しめるものだというからです。始めてみようかな、と思って
います。
実は、「一日7000歩」を目標にウオーキングを日課にして
きました。しかし、2ヶ月前に足底腱膜炎になり、今は休んで
います。歩くと足の裏に痛みがあります。無理をしていたの
かもしれません。歩き方が悪かったのかもしれません。健康
が永遠ではないことを痛感しています。
元気で動けなくなった後の人生を考えても来ませんでした。
足の病気になって初めて、体の健康を損なっても、せめて、
心の健康を保つ精神的な支えを見つけておきたいものだと
考えるようになりました。それには俳句がいいのではないか
と思っています。
購入した入門書の著者によれば、「俳句を始めると、ふだん
何気なく過ごしていた日常の風景も、特別なものに感じられる
ようになります」ということです。俳句は、自然に対する敏感な
感性を養い、それを磨くのに最適な一生の趣味なのでしょう。
そして、話し方の言葉選びにも大いに役立つと考えます。
さて、今年度の鞍田朝夫「話し方教室」は、例年通りの要領で
富山県民会館の608号室で開講しています。以下、今年度の
下期の学習テーマとスケジュールをご案内しておきます。
10月 6日・・・話材を整理して話す
10月20日・・・突然指名されて話す
11月 3日・・・3分間で話す
11月17日・・・具体例で話す
12月 1日・・・絵を描くように話す
12月15日・・・わかりやすい表現で話す
 1月 5日・・・5W1H1で話す
 1月19日・・・エピソードで話す
 2月 2日・・・正しい敬語で話す
 2月16日・・・起承転結で話す
 3月 1日・・・話し読み練習法で話す
 3月15日・・・整話練習法で話す
関心のある方のご参加をお待ちしています。見学を歓迎します。
予め☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。

2019年9月1日日曜日

言葉は声に出してこそ

知り合いの住職から、浄土真宗の門信徒用に発行されている
広報誌が送られてきました。巻頭の記事は、明治大学の齋藤
孝教授のインタビューでした。興味深く読みました。”言葉は声
に出してこそ生命となる”という主旨の話でした。
齋藤教授は、日本語や話し方に関する数々の著書で知られる
教育学者です。テレビのワイドショーなどでも、優しい語り口で
コメンテーターとして活躍中です。私も、大ベストセラーの「声に
出したい日本語」や「語彙力こそが教養である」などの著書から
話し方向上のヒントを多く学びました。
件のインタビューも示唆に富んだものでした。曰く「日本語という
のは、もともと文字がない期間が長かった言語で、たくさんの人
たちが音として伝えてきた。だから、声に出して読むと、言葉の
生命力がよみがえる。江戸時代の寺子屋などでは、素読という
形で声に出して学習することが当たり前だった。それが最近は、
黙読が中心になったので、言葉がいきいきし難いところがある」
と、暗誦するという文化の衰えが危惧されるというのです。
齋藤教授は、これからの時代の日本語について、SNSやインタ
ーネットを通じて新しい日本語がどんどん生まれており、日本語
自体は形を変えながら発展していくのだろうが、新しい語彙が
増えていく一方で、伝統的な語彙の伝承ができていない。古文
や漢文などは、先人の文化遺産であり、継承することが大切だ。
その為のポイントは音読であり、声に出すという教育や練習が
もっとあってもいいのではないかと、古典を声に出して読むこと
をつよく勧めていました。とりわけ『平家物語』などは、口承文学、
つまり、語りの文学でリズムが生命だ。現代語訳で意味を掴み、
原文を声に出して読むことで、生命感が内側から理解できると
いうのです。”言葉は声に出してこそ”という訳です。
さて、9月の鞍田朝夫「話し方教室」は、1日と15日に開きます。
いずれも午前10時から12時まで富山県民会館の608号室で
開きます。テーマは、1日が「初めてのスピーチで話す」、15日
が「いい切り出しと結びで話す」です。教室の見学を歓迎します。
予め☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。 

2019年8月6日火曜日

負けを知り、勝つことを知る

1日に富山市総合体育館で行なわれた大相撲の「富山場所」
は、地元期待の朝の山が秋場所での雪辱を期す舞台だった
ようです。5月の夏場所で初優勝し、名古屋場所でも活躍が
期待されましたが,惜しくも7勝8敗で負け越してしまいました。
富山巡業では、「その悔しさを糧に熱のこもった稽古や迫力
あふれる取組みを繰り広げた。」と、地元紙が朝の山の奮闘
ぶりを伝えていました。
処で、勝負の世界では将来の飛躍に生かす意味ある負けが
あるのでしょう。朝の山の師匠の高砂親方が、自著「親方は
つらいよ」で以下のように述べています。「相撲界は力の世界
です。勝ちぬきながら何かを悟り、何かを得ていく世界です。
けれども、一番大切なのは、勝ちだけを知っていてはダメだと
いうこと。負けも知った上で、勝つことを知る。これによって、
力士は精神的に強くなっていくのでしょう。」と・・・
2年連続で学生横綱に輝きながら注目されて入った角界では
7度目の挑戦でようやく大関に昇進した、苦労の日々の実感
なのでしょう。
プロ野球の元監督・野村克也さんが座右の銘にしていた名言
を思い出しました。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議
の負けなし」という言葉です。負ける時は、負けに繋がる必然
的な要因がある。しかし、勝つ時には、どうして勝ったのかが
思い当たらない不思議な勝ちがあるものだ、というのです。
この名言は、肥前国9代平戸藩主・松浦清の言葉です。家督を
息子に譲り、松浦静山の名で執筆した剣術書にある一節です。
勝負に勝つには、負けた要因が何だったか、どうしたらそれを
無くせるかを考えていることが大切だ。勝った場合でも、負けに
繋がることをやっている可能性があり、それを見過ごしてはなら
ない、という意だといいます。
朝の山の名古屋場所での7勝と8敗は、「負けを知り、勝つこと
を知る」に余りある、かけがえのないものだったことでしょう。
さて、8月の鞍田朝夫「話し方教室」は、都合により4日は休講
しました。次回は18日に開きます。午前10時から12時まで
富山県民会館608号室で開講します。学習テーマは「三段階
話法で話す」です。関心のある方の教室の見学を歓迎します。
☎076-431-3248 又は Eメールkurata2347@gmail.com
予めご連絡いただければ幸いです。

2019年7月1日月曜日

原点能力を身につけよ

表題の一言は、プロ野球・楽天球団の監督だった野村克也さんが、
当時、若い田中将大投手に事あるごとに説いた教えだと言います。
投手にとって大事なのは、ピンチでいかに外角低めへ得意な球を
投げられるかだ。打者の目から遠く、打ちにくい外角の低めに思う
ように投げられる制球力を身につけよ。という訳です。
先日、野村さんと田中投手の師弟関係に焦点を当てたテレビ番組を
見ました。二人のインタビューや関係者の証言などで構成し、“人生
を変えた出会い”として描いたヒューマンドキュメンタリーでした。
米大リーグで活躍中の田中投手にとって、野村監督との運命的な
出会いとその下でプレーした日々や教えの数々が、いかにかけがえ
のないものだったのかを随所にうかがわせる内容でした。とりわけ、
野村さんの話す「困った時は原点に帰れという言葉があるが、投手
の原点能力というのは外角低めのコントロール。困ったら外角低め。
外角低めへはバランスよく投げないと何球も続けて投げられない。
ピッチングは何と言ってもバランスが大事」という持論は、穏やかな
口調ながら実に深い趣と含蓄のある言葉でした。
原点回帰はよく使われる言葉ですが、原点能力は野村さん一流の
造語です。原点とは、大辞林には①長さを測る時の基準となる点。
②そこから物事が出発した基本となるところ。と語釈されています。
野村さん一流の原点能力とは、いざという時に拠り処とすることが
できる基本的な力を言うのでしょう。そして、自分なりの能力を常に
磨いておきなさいということなのでしょう。
話し方においても身につけておくべき原点能力があると考えます。
話し方で大切なのは、声の出し方、言葉の選び方、話の組み立て
方の3つです。これらの課題に、野球の投手が外角低めを狙って
ズバッと得意球を力強く投げ込むように、自分なりの確かな処方を
身につけていることが話し方の心強い頼みとなるのです。
さて、7月の鞍田朝夫「話し方教室」は、7日と21日に開講します。
いずれも、10時から12時まで富山県民会館608号室で開きます。
学習テーマは、7日が「間を取って話す」、21日が「口癖を直して
話す」です。関心のある方の教室の事前見学を随時受け付けます。
予め、☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。


2019年6月1日土曜日

バスガイドの努力を惟う

先日、大学のクラス会で上京した折、「はとバス」に乗車し箱根と
富士山を巡りました。朝8時に東京駅に隣接する乗り場を出発し
夜7時に帰ってくる強行軍のバスツアーでした。箱根では、新緑
鮮やかな芦ノ湖を船で遊覧し、初めて訪れた富士山五合目では、
幸運にも頂上の威容を間近に見上げ、富士山の伏流水に水源
を発する忍野八海では、神秘的な湧水池を訪ねました。
この間、私達の旅を演出してくれたのが入社5年目の女性ガイド
でした。車窓の景色、由緒ある建物や場所、訪問予定の観光地
の関連情報などを、歴史的エピソードや豆知識を織り交ぜながら
乗客に楽しく紹介する話し方は実に心地よいものでした。プロの
鮮やかな仕事ぶりに感心しました。
処で、新人のバスガイドの研修はなかなか大変だと聞きました。
接客、言葉遣い、身だしなみ、挨拶の仕方、車両のバック誘導、
事故が発生した時の乗客の誘導、などなど多岐にわたっている
ようです。とりわけ、観光案内の研修は、発声、発音、滑舌練習
に始まり、観光地の地理や歴史に関する膨大な資料を暗記する 
ことが求められるといいます。また、車上実習では、ベテランの
ガイドが教官となり、「どこでどの観光名所や車窓の風景を案内
すべきか」などを厳しく指導されるのだといいます。
覚えたことや備えたことを、場に適った機転を利かせて楽しく人に
紹介していくことは容易なことではありません。暗記したことを単に
なぞるだけでは人に伝わりません。個性的で魅力的なバスガイド
には弛まぬ努力の跡が偲ばれます。さながら、霊峰富士の雪が
悠久の時を超えて伏流水となり、忍野盆地の八つの池に霊泉と
して湧き出して観光客を神秘の世界へ誘っているように・・・。
さて、6月の鞍田朝夫「話し方教室」は、2日と16日に開講します。
午前10時から富山県民会館608号室で開きます。学習テーマは、
2日が「上がらないで話す」、16日が「話しかけるように話す」です。
関心のある方の教室の見学を歓迎します。 ☎076-431-3248か
Eメールkurata2347@gmail.comに予めご連絡いただければ
幸いです。

2019年5月1日水曜日

新元号「令和」の発音

いよいよ令和時代が始まりました。新元号「令和」に特別な
感慨があります。新元号の典拠となった万葉集を編纂した
大伴家持が奈良時代に越中国守として滞在した富山県の
高岡市伏木は、中学校に通った故郷です。又、少年時代を
過ごした高岡市太田(雨晴)や氷見市は、家持が度々訪れ
数々の歌を詠んだ越中万葉の故地です。感慨一入です。
さて、新元号の「令和」を一音一音(レイワ)と発音する人と
(イ)を長音にして(レーワ)と発音する人がいます。
日本語では、母音が連続する場合、原則、長音になります。
例えば、大雨(オオアメ)は(オーアメ)と長音で発音します。
また、同じ母音だけでなくエ(E)とイ( I )やオ(O)とウ(U)が
続く場合にも長音化します。経済(ケイザイ)は(ケーザイ)、
扇(オウギ)は(オーギ)と発音します。従って、令和(レイワ)
はエ(E)とイ( I )が続いているので、原則的には(レーワ)と
発音するのが理に適っていると言えます。
一方、「令和」を(レ)にアクセントをつけ頭高で発音する人と
平板で発音する人がいます。どちらも可だと思います。
今の処、頭高で発音する人が多いように感じますが、先日、
テレビの番組で言語学者の金田一秀穂さんが「頭高が先で、
だんだん平板になっていくのではないか」と、いうようなことを
話していました。この新元号「令和」のアクセントについては、
発表当日4月1日夕方のテレビニュースで某局のキャスター
が「平板で発音することに決めました」と、言及していました。
わが富山県の系列局でも、平板での発音が意識されている
ように感じます。頭高か平板か、どちらにせよ、言葉を声に
出して仕事をする人たちの発音に対する真摯な姿勢を垣間
見たようで好感を抱きました。
さて、5月の鞍田朝夫「話し方教室」は、5日と19日に開講
します。午前10時から富山県民会館608号室で開きます。
学習テーマは、5日が「簡潔に話す」、19日が「短いセンテ
ンスで話す」です。関心のある方の見学を歓迎します。予め、
☎076-431-3248かEメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。

2019年4月1日月曜日

2019年度の学習テーマとスケジュール

引退したイチロー選手の記者会見での言葉が今も心に蘇ります。
「少しずつの積み重ね、それでしか自分を超えていけない」と・・・
稀代の天才打者は、人知れずこつこつと、そして、誰よりも努力
してきた人でもあったのです。
新年度です。鞍田朝夫「話し方教室」は、これまでと同様の要領で
毎月第1と第3日曜日の午前10時から12時まで富山県民会館の
608号室で開講します。自分を超える努力を始めてみませんんか。
以下、新年度の学習テーマと開講スケジュールをご案内します。
 4月 7日・・・明るい声で話す
 4月21日・・・歯切れよく話す
 5月 5日・・・簡潔に話す
 5月19日・・・短いセンテンスで話す
 6月 2日・・・上がらないで話す
 6月16日・・・話しかけるように話す
 7月 7日・・・間を取って話す
 7月21日・・・口癖を直して話す
 8月 4日・・・ひとつだけを話す
 8月18日・・・三段階話法で話す
 9月 1日・・・初めてのスピーチで話す
 9月15日・・・いい切り出しと結びで話す
10月 6日・・・話材を集めて話す
10月20日・・・突然指名されて話す
11月 3日・・・3分間で話す
11月17日・・・具体例で話す
12月 1日・・・絵を描くように話す
 1月 5日・・・5W1Hで話す
 1月19日・・・エピソードで話す
 2月 2日・・・正しい敬語で話す
 2月16日・・・起承転結で話す
 3月 1日・・・話し読み練習法で話す
 3月15日・・・整話練習法で話す
関心のある方の受講をお待ちしています。見学を歓迎します。
☎076-431-3248 か、Eメールkurata2347@gmail.com
予めご連絡いただければ幸いです。

2019年3月1日金曜日

「好日日記」を読んで

エッセイストの森下典子さんの「好日日記」を読みました。
樹木希林さんの遺作となった映画「日日是好日」の原作
エッセイの続編として、去年秋の映画の公開に合わせて
出版されました。森下さんが、50代の頃、お茶の稽古の
内容などをメモしていたノートがベースになっているとの
ことで、まえがきには、「これはお茶の稽古の記録だが、
季節のめぐりの記録でもある。」、とあります。たしかに、
茶花や茶菓子、掛軸、道具のことなど、茶道の奥深さが
お茶をやらない者にも頷ける説得力で説明されています。
が、それにもまして、お茶の稽古場を介して森下さんに
見えていた季節の移ろいが、二十四節気をなぞりながら
感性豊かに綴られています。穏やかで平易な表現ながら
心に沁みる描写の、推敲を尽くした言葉選びに魅了され
ました。また、40年以上の永きにわたってお茶の稽古を
続けてきた森下さんならではの人生訓の数々にも共感を
覚えました。とりわけ、習い事に励む人たちへの示唆とも
言える以下の境地に感動しました。
「習っているのは、技術ではなく、道を進むことだ。人は、
何も進んでいないようにみえる時でも、時間をかけて身に
付けたものだけは常に持っている。」「何十年やっても課題
は尽きず、稽古に終わりはない。このごろ思う。目指しても、
目指しても、終わりのない道を歩くことは、なんて楽しいの
だろう。いくつになっても正面から叱り、注意してくれる人が
いるということは、なんて幸せなのだろう。」
ひとつのことにひたすら精励恪勤した人だけが辿り着ける
感慨なのだろうと思います。けだし、至言だと思いました。
さて、3月の鞍田朝夫「話し方教室」は、3日と17日に開講
します。午前10時から富山県民会館608号室で開きます。
学習テーマは、3日が「起承転結で話す」、17日が「正しい
敬語で話す」です。関心のある方のご参加を歓迎します。
見学の希望を受け付けます。事前に、☎076-431-3248か
Eメールkurata2347@gmail.comへご連絡いただければ
幸いです。

2019年2月1日金曜日

菅原道真の勉強法

2月です。本格的な受験シーズンを迎え、”学問の神様”菅原
道真を祀る神社に合格祈願をする受験生も多いことでしょう。
富山県内でも富山市の於保多神社が菅原道真を祀っており
富山の天神様として崇敬されています。
そもそも、菅原道真が”学問の神様”として崇められるように
なったのはいつ頃からなのか??先日見たNHK・BS放送の
「偉人たちの健康診断」によれば、江戸時代に各地の寺子屋で、
頭脳明晰だった菅原道真にあやかりたいと道真を描いた掛軸が
掛けられたのがきっかけだということです。
番組では、菅原道真の勉強法についても掘り下げていました。
平安時代の教育は、文章を音読することが基本だったそうで、
道真も幼い頃から漢詩を繰り返し音読していたということです。
道真の勉強法の基礎は、漢詩の音読だったというわけです。
音読することは、目で文字を見て、それを解釈し、声に出して、
同時に自分の声を聞くことになり、黙読に比べて多くの感覚と
脳の全体を使った情報処理をしているので、脳を活性化する
効果があって頭が良くなるというのです。
道真はまた、自分の勉強法について「学問の道は抄出を宗と
なす」と、その極意を明かしているそうです。抄出とは、文章の
一部を抜き出すこと、つまり、抜き書きすることです。学問には
これが大切だと道真は言っているのです。抜き書きすることは、
抜くことと書くことを脳の前と後ろの部分を使って行なうために、
頭の回転を速くする効果があるのだというのです。
菅原道真の天才脳は、「音読と抜き書き」という勉強法によって
鍛えられたのでしょう。この「音読と抜き書き」は、話し方の向上
にも大いに有用だと考えます。
さて、2月の鞍田朝夫「話し方教室」は3日と17日に開きます。
午前10時から富山県民会館6階の608号室で開講します。
テーマは、3日が「話し読み練習法で話す」、17日が「ネタを
集めて話す」です。関心のある方のご参加をお待ちしています。
教室の見学を歓迎します。事前に☎076-431-3248か、Eメール
kurata2347@gmail.comにご連絡いただければ幸いです。

2019年1月1日火曜日

一切なりゆき

樹木希林さんが遺した言葉を集めた表題の新書を読みました。
去年9月に亡くなった樹木希林さんが、週刊誌など活字メディア
に話してきた数々の言葉を集大成し新書として出版されました。
「わが母の記」「あん」「海街diary」「万引き家族」「日日是好日」
など、ここ数年の映画で演じた老人の姿に感動してきただけに
特別な感慨をもって読みました。
編集部による前書き、「はじめに」には次のように書かれています。
「樹木希林さんが遺した数多くの言葉は、語り口が平明で、いつも
ユーモアが添えられているが、じつはとても深い。そして何よりも
ポジティブだ。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫るのは、
浮いたような借り物が一つもないからで、それぞれの言葉が樹木
さんの生き方そのものであったからではないか。本人は意識しなく
とも、警句や名言の山が築かれている。」、と・・・
確かに、樹木希林さんの、感じ方、考え方、話し方には、達観した
悟りの境地を感じます。タイトルの「一切なりゆき」は、生前、色紙
に書いていた言葉、「私の役者魂はね 一切なりゆき」から選んだ
ということです。噛むほどに心に沁みる樹木さんの言葉を玩味して
ほしいと、編集者は新書の「はじめに」を結んでいます。
平成最後の年頭にあたり、樹木希林さんのを役者魂を偲びつつ、
「一切なりゆき」を身上とした生き方と「奥の深い話し方」の極意を
改めて噛みしめたいと思います。
1月の鞍田朝夫「話し方教室」は、6日と20日の日曜日に開きます。
いずれも、午前10時から富山県民会館の608号室で開講します。
テーマは、6日「エピソードで話す」、20日が「5W1Hで話す」です。
関心のある方のご参加をお待ちしています。見学を大歓迎します。
事前に、☎076-431-3248かEメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。