2019年12月1日日曜日

アクセントと音感

先月に続いて、日本語のアクセントについて取り上げます。
日本語は個々の語の音の高低でアクセントをつける言語
です。発音の強弱によってアクセントをつける英語などに
比べて、日本語はアクセントと音感とに密接な関係がある
言葉だと言えます。
ところで、私達は生まれた地域の音感の中で言葉を交わし
暮らしています。住んでいる地域によってほとんどの人が
その地域の音感に合わせてアクセントし話しているのです。
例えば、富山生まれの人は、日常交わす言葉を大体同じ
アクセントで発音しています。また、新しい単語(造語)が
出てきてもほぼ同じアクセントで発音します。これは、富山
ならではの音感がその人の頭の中でアクセントの法則の
ようなものとなって蓄積され、その法則に合わせて発音して
いるからだと思われます。
そこで、地方の人が標準語アクセントを習得しようと思えば、
生来の自分の音感を東京アクセントの音感に変える努力が
必須ということになります。その努力とは、先月も書いた通り、
基本的な幾つかの単語のアクセントを覚えること、品詞ごと
のアクセントの法則を覚えることであり、これが近道です。
もっとも、東京のアクセントと地方のアクセントに優劣や正否
があるわけではありません。また、アナウンサーでない限り、
皆が東京のアクセントにしなければならないというわけでは
ありません。時に故郷の訛りも味がありいいものです。ただ、
テレビやラジオの影響か、東京の音感が普遍化し地方でも
標準語アクセントで話す人が随分増えているように思います。
ですから、鞍田朝夫「話し方教室」では、日頃の発音練習や
滑舌練習を通じて標準語の音感を実感し、興味のある人は、
自然な形で標準語のアクセントを体得して貰えればと考えて
います。
さて、12月の鞍田朝夫「話し方教室」は、1日と15日に開講
します。学習テーマは、1日が「絵を描くように話す」、15日が
「わかりやすい表現で話す」です。関心ある方の見学を歓迎
します。☎076-431-3248 か kurata2347@gmail.com
事前にご連絡いただければ幸いです。