2019年7月1日月曜日

原点能力を身につけよ

表題の一言は、プロ野球・楽天球団の監督だった野村克也さんが、
当時、若い田中将大投手に事あるごとに説いた教えだと言います。
投手にとって大事なのは、ピンチでいかに外角低めへ得意な球を
投げられるかだ。打者の目から遠く、打ちにくい外角の低めに思う
ように投げられる制球力を身につけよ。という訳です。
先日、野村さんと田中投手の師弟関係に焦点を当てたテレビ番組を
見ました。二人のインタビューや関係者の証言などで構成し、“人生
を変えた出会い”として描いたヒューマンドキュメンタリーでした。
米大リーグで活躍中の田中投手にとって、野村監督との運命的な
出会いとその下でプレーした日々や教えの数々が、いかにかけがえ
のないものだったのかを随所にうかがわせる内容でした。とりわけ、
野村さんの話す「困った時は原点に帰れという言葉があるが、投手
の原点能力というのは外角低めのコントロール。困ったら外角低め。
外角低めへはバランスよく投げないと何球も続けて投げられない。
ピッチングは何と言ってもバランスが大事」という持論は、穏やかな
口調ながら実に深い趣と含蓄のある言葉でした。
原点回帰はよく使われる言葉ですが、原点能力は野村さん一流の
造語です。原点とは、大辞林には①長さを測る時の基準となる点。
②そこから物事が出発した基本となるところ。と語釈されています。
野村さん一流の原点能力とは、いざという時に拠り処とすることが
できる基本的な力を言うのでしょう。そして、自分なりの能力を常に
磨いておきなさいということなのでしょう。
話し方においても身につけておくべき原点能力があると考えます。
話し方で大切なのは、声の出し方、言葉の選び方、話の組み立て
方の3つです。これらの課題に、野球の投手が外角低めを狙って
ズバッと得意球を力強く投げ込むように、自分なりの確かな処方を
身につけていることが話し方の心強い頼みとなるのです。
さて、7月の鞍田朝夫「話し方教室」は、7日と21日に開講します。
いずれも、10時から12時まで富山県民会館608号室で開きます。
学習テーマは、7日が「間を取って話す」、21日が「口癖を直して
話す」です。関心のある方の教室の事前見学を随時受け付けます。
予め、☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。


2019年6月1日土曜日

バスガイドの努力を惟う

先日、大学のクラス会で上京した折、「はとバス」に乗車し箱根と
富士山を巡りました。朝8時に東京駅に隣接する乗り場を出発し
夜7時に帰ってくる強行軍のバスツアーでした。箱根では、新緑
鮮やかな芦ノ湖を船で遊覧し、初めて訪れた富士山五合目では、
幸運にも頂上の威容を間近に見上げ、富士山の伏流水に水源
を発する忍野八海では、神秘的な湧水池を訪ねました。
この間、私達の旅を演出してくれたのが入社5年目の女性ガイド
でした。車窓の景色、由緒ある建物や場所、訪問予定の観光地
の関連情報などを、歴史的エピソードや豆知識を織り交ぜながら
乗客に楽しく紹介する話し方は実に心地よいものでした。プロの
鮮やかな仕事ぶりに感心しました。
処で、新人のバスガイドの研修はなかなか大変だと聞きました。
接客、言葉遣い、身だしなみ、挨拶の仕方、車両のバック誘導、
事故が発生した時の乗客の誘導、などなど多岐にわたっている
ようです。とりわけ、観光案内の研修は、発声、発音、滑舌練習
に始まり、観光地の地理や歴史に関する膨大な資料を暗記する 
ことが求められるといいます。また、車上実習では、ベテランの
ガイドが教官となり、「どこでどの観光名所や車窓の風景を案内
すべきか」などを厳しく指導されるのだといいます。
覚えたことや備えたことを、場に適った機転を利かせて楽しく人に
紹介していくことは容易なことではありません。暗記したことを単に
なぞるだけでは人に伝わりません。個性的で魅力的なバスガイド
には弛まぬ努力の跡が偲ばれます。さながら、霊峰富士の雪が
悠久の時を超えて伏流水となり、忍野盆地の八つの池に霊泉と
して湧き出して観光客を神秘の世界へ誘っているように・・・。
さて、6月の鞍田朝夫「話し方教室」は、2日と16日に開講します。
午前10時から富山県民会館608号室で開きます。学習テーマは、
2日が「上がらないで話す」、16日が「話しかけるように話す」です。
関心のある方の教室の見学を歓迎します。 ☎076-431-3248か
Eメールkurata2347@gmail.comに予めご連絡いただければ
幸いです。

2019年5月1日水曜日

新元号「令和」の発音

いよいよ令和時代が始まりました。新元号「令和」に特別な
感慨があります。新元号の典拠となった万葉集を編纂した
大伴家持が奈良時代に越中国守として滞在した富山県の
高岡市伏木は、中学校に通った故郷です。又、少年時代を
過ごした高岡市太田(雨晴)や氷見市は、家持が度々訪れ
数々の歌を詠んだ越中万葉の故地です。感慨一入です。
さて、新元号の「令和」を一音一音(レイワ)と発音する人と
(イ)を長音にして(レーワ)と発音する人がいます。
日本語では、母音が連続する場合、原則、長音になります。
例えば、大雨(オオアメ)は(オーアメ)と長音で発音します。
また、同じ母音だけでなくエ(E)とイ( I )やオ(O)とウ(U)が
続く場合にも長音化します。経済(ケイザイ)は(ケーザイ)、
扇(オウギ)は(オーギ)と発音します。従って、令和(レイワ)
はエ(E)とイ( I )が続いているので、原則的には(レーワ)と
発音するのが理に適っていると言えます。
一方、「令和」を(レ)にアクセントをつけ頭高で発音する人と
平板で発音する人がいます。どちらも可だと思います。
今の処、頭高で発音する人が多いように感じますが、先日、
テレビの番組で言語学者の金田一秀穂さんが「頭高が先で、
だんだん平板になっていくのではないか」と、いうようなことを
話していました。この新元号「令和」のアクセントについては、
発表当日4月1日夕方のテレビニュースで某局のキャスター
が「平板で発音することに決めました」と、言及していました。
わが富山県の系列局でも、平板での発音が意識されている
ように感じます。頭高か平板か、どちらにせよ、言葉を声に
出して仕事をする人たちの発音に対する真摯な姿勢を垣間
見たようで好感を抱きました。
さて、5月の鞍田朝夫「話し方教室」は、5日と19日に開講
します。午前10時から富山県民会館608号室で開きます。
学習テーマは、5日が「簡潔に話す」、19日が「短いセンテ
ンスで話す」です。関心のある方の見学を歓迎します。予め、
☎076-431-3248かEメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。

2019年4月1日月曜日

2019年度の学習テーマとスケジュール

引退したイチロー選手の記者会見での言葉が今も心に蘇ります。
「少しずつの積み重ね、それでしか自分を超えていけない」と・・・
稀代の天才打者は、人知れずこつこつと、そして、誰よりも努力
してきた人でもあったのです。
新年度です。鞍田朝夫「話し方教室」は、これまでと同様の要領で
毎月第1と第3日曜日の午前10時から12時まで富山県民会館の
608号室で開講します。自分を超える努力を始めてみませんんか。
以下、新年度の学習テーマと開講スケジュールをご案内します。
 4月 7日・・・明るい声で話す
 4月21日・・・歯切れよく話す
 5月 5日・・・簡潔に話す
 5月19日・・・短いセンテンスで話す
 6月 2日・・・上がらないで話す
 6月16日・・・話しかけるように話す
 7月 7日・・・間を取って話す
 7月21日・・・口癖を直して話す
 8月 4日・・・ひとつだけを話す
 8月18日・・・三段階話法で話す
 9月 1日・・・初めてのスピーチで話す
 9月15日・・・いい切り出しと結びで話す
10月 6日・・・話材を集めて話す
10月20日・・・突然指名されて話す
11月 3日・・・3分間で話す
11月17日・・・具体例で話す
12月 1日・・・絵を描くように話す
 1月 5日・・・5W1Hで話す
 1月19日・・・エピソードで話す
 2月 2日・・・正しい敬語で話す
 2月16日・・・起承転結で話す
 3月 1日・・・話し読み練習法で話す
 3月15日・・・整話練習法で話す
関心のある方の受講をお待ちしています。見学を歓迎します。
☎076-431-3248 か、Eメールkurata2347@gmail.com
予めご連絡いただければ幸いです。

2019年3月1日金曜日

「好日日記」を読んで

エッセイストの森下典子さんの「好日日記」を読みました。
樹木希林さんの遺作となった映画「日日是好日」の原作
エッセイの続編として、去年秋の映画の公開に合わせて
出版されました。森下さんが、50代の頃、お茶の稽古の
内容などをメモしていたノートがベースになっているとの
ことで、まえがきには、「これはお茶の稽古の記録だが、
季節のめぐりの記録でもある。」、とあります。たしかに、
茶花や茶菓子、掛軸、道具のことなど、茶道の奥深さが
お茶をやらない者にも頷ける説得力で説明されています。
が、それにもまして、お茶の稽古場を介して森下さんに
見えていた季節の移ろいが、二十四節気をなぞりながら
感性豊かに綴られています。穏やかで平易な表現ながら
心に沁みる描写の、推敲を尽くした言葉選びに魅了され
ました。また、40年以上の永きにわたってお茶の稽古を
続けてきた森下さんならではの人生訓の数々にも共感を
覚えました。とりわけ、習い事に励む人たちへの示唆とも
言える以下の境地に感動しました。
「習っているのは、技術ではなく、道を進むことだ。人は、
何も進んでいないようにみえる時でも、時間をかけて身に
付けたものだけは常に持っている。」「何十年やっても課題
は尽きず、稽古に終わりはない。このごろ思う。目指しても、
目指しても、終わりのない道を歩くことは、なんて楽しいの
だろう。いくつになっても正面から叱り、注意してくれる人が
いるということは、なんて幸せなのだろう。」
ひとつのことにひたすら精励恪勤した人だけが辿り着ける
感慨なのだろうと思います。けだし、至言だと思いました。
さて、3月の鞍田朝夫「話し方教室」は、3日と17日に開講
します。午前10時から富山県民会館608号室で開きます。
学習テーマは、3日が「起承転結で話す」、17日が「正しい
敬語で話す」です。関心のある方のご参加を歓迎します。
見学の希望を受け付けます。事前に、☎076-431-3248か
Eメールkurata2347@gmail.comへご連絡いただければ
幸いです。

2019年2月1日金曜日

菅原道真の勉強法

2月です。本格的な受験シーズンを迎え、”学問の神様”菅原
道真を祀る神社に合格祈願をする受験生も多いことでしょう。
富山県内でも富山市の於保多神社が菅原道真を祀っており
富山の天神様として崇敬されています。
そもそも、菅原道真が”学問の神様”として崇められるように
なったのはいつ頃からなのか??先日見たNHK・BS放送の
「偉人たちの健康診断」によれば、江戸時代に各地の寺子屋で、
頭脳明晰だった菅原道真にあやかりたいと道真を描いた掛軸が
掛けられたのがきっかけだということです。
番組では、菅原道真の勉強法についても掘り下げていました。
平安時代の教育は、文章を音読することが基本だったそうで、
道真も幼い頃から漢詩を繰り返し音読していたということです。
道真の勉強法の基礎は、漢詩の音読だったというわけです。
音読することは、目で文字を見て、それを解釈し、声に出して、
同時に自分の声を聞くことになり、黙読に比べて多くの感覚と
脳の全体を使った情報処理をしているので、脳を活性化する
効果があって頭が良くなるというのです。
道真はまた、自分の勉強法について「学問の道は抄出を宗と
なす」と、その極意を明かしているそうです。抄出とは、文章の
一部を抜き出すこと、つまり、抜き書きすることです。学問には
これが大切だと道真は言っているのです。抜き書きすることは、
抜くことと書くことを脳の前と後ろの部分を使って行なうために、
頭の回転を速くする効果があるのだというのです。
菅原道真の天才脳は、「音読と抜き書き」という勉強法によって
鍛えられたのでしょう。この「音読と抜き書き」は、話し方の向上
にも大いに有用だと考えます。
さて、2月の鞍田朝夫「話し方教室」は3日と17日に開きます。
午前10時から富山県民会館6階の608号室で開講します。
テーマは、3日が「話し読み練習法で話す」、17日が「ネタを
集めて話す」です。関心のある方のご参加をお待ちしています。
教室の見学を歓迎します。事前に☎076-431-3248か、Eメール
kurata2347@gmail.comにご連絡いただければ幸いです。

2019年1月1日火曜日

一切なりゆき

樹木希林さんが遺した言葉を集めた表題の新書を読みました。
去年9月に亡くなった樹木希林さんが、週刊誌など活字メディア
に話してきた数々の言葉を集大成し新書として出版されました。
「わが母の記」「あん」「海街diary」「万引き家族」「日日是好日」
など、ここ数年の映画で演じた老人の姿に感動してきただけに
特別な感慨をもって読みました。
編集部による前書き、「はじめに」には次のように書かれています。
「樹木希林さんが遺した数多くの言葉は、語り口が平明で、いつも
ユーモアが添えられているが、じつはとても深い。そして何よりも
ポジティブだ。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫るのは、
浮いたような借り物が一つもないからで、それぞれの言葉が樹木
さんの生き方そのものであったからではないか。本人は意識しなく
とも、警句や名言の山が築かれている。」、と・・・
確かに、樹木希林さんの、感じ方、考え方、話し方には、達観した
悟りの境地を感じます。タイトルの「一切なりゆき」は、生前、色紙
に書いていた言葉、「私の役者魂はね 一切なりゆき」から選んだ
ということです。噛むほどに心に沁みる樹木さんの言葉を玩味して
ほしいと、編集者は新書の「はじめに」を結んでいます。
平成最後の年頭にあたり、樹木希林さんのを役者魂を偲びつつ、
「一切なりゆき」を身上とした生き方と「奥の深い話し方」の極意を
改めて噛みしめたいと思います。
1月の鞍田朝夫「話し方教室」は、6日と20日の日曜日に開きます。
いずれも、午前10時から富山県民会館の608号室で開講します。
テーマは、6日「エピソードで話す」、20日が「5W1Hで話す」です。
関心のある方のご参加をお待ちしています。見学を大歓迎します。
事前に、☎076-431-3248かEメールkurata2347@gmail.com
ご連絡いただければ幸いです。