2025年4月1日火曜日

再起の春

4月です。春本番です。春は、希望に燃えて新生活を始める人の多い季節です。 一方で、春は、人によっては再起の機会として特別な意味を持つ重要な季節です。 そんな人にとって、春は、草木の芽吹きに深遠な生命力を感じつつ自らの再起に心機一転する絶好の節目なのかもしれません。 ▼わが故郷の朝乃山にも、先月の春場所での三段目優勝を重要な再起の一歩にしてもらいたいものです。 朝乃山は、去年7月の名古屋場所で大怪我をしてから約半年ぶりに土俵に戻り7戦全勝で三段目優勝を果しました。 過去にも不祥事で出場停止処分を受け三段目から復帰して全勝優勝したことがあり、今回も盤石な相撲内容で復活への道を歩み始めました。 ▼朝乃山には、ぜひ、玉鷲の継続力と不屈の精神に学んでもらいたいと思います。 玉鷲は、40歳にしてなお現役で活躍を続けています。怪我や困難を乗り越えながら通算出場記録を更新し土俵に立ち続けています。 朝乃山も、玉鷲に倣い40歳まで相撲を取るほどの気概で土俵に臨んでもらいたいものです。 ▼朝乃山には、また、35歳にして相撲を楽しむ境地に至った高安に学んでもらいたいと思います。 先場所の高安は、千秋楽の優勝決定戦で大関の大の里に敗れ悲願の初優勝を逃したものの、大関時代を彷彿とさせる連日の大活躍でした。 場所中の勝利インタビューで答えた心境が至言でした。曰く「今が一番楽しいですね!やりがいがあります!」 勝負の世界で幾多の悔しさを積み重ねた末にようやく達した境地なのでしょう。 ▼40歳にしてなお土俵で挑み続ける玉鷲。35歳にして相撲の本当の醍醐味に浸る高安。 31歳の朝乃山には、両力士の気骨溢れる姿がこの先の貴重な道導となることでしょう。 来場所は幕下上位に昇進することが予想されています。折しも、今月6日には富山場所が開催されます。地元の声援を力に復活の道を不屈邁進することを期待します。 ▼蛇足ながら、新しい始まりの季節だから、このタイミングで自分の話し方やコミュニケーションスタイルを振り返り、 改善点を見つけて再起の春にしたいものです。

2025年3月1日土曜日

球春に鍛える

3月です。先月キャンプインした日米のプロ野球は、選手やチームの練習が最終盤を迎えています。 これから各球団は、実戦さながらにオープン戦を重ねペナントレースに向けて新しいチーム作りの仕上げに入って行きます。 ▼キャンプとは、本来、軍隊などの集団が訓練のために一か所に集まることを言います。 プロ野球のキャンプはそれに倣ったもので、春季キャンプはシーズン本番に向けた準備期間として重要な意味を持っています。 また、若い選手にとってもその後の自らの野球人生を左右する大切な登竜門です。 ▼先日、元千葉ロッテマリーンズの捕手で野球解説者の里崎智也さんが、出演したNHKの「ラジオ深夜便」で若い選手に贈るエールとして 「死ぬほど練習しろ!”量より質”はないぞ!」と、檄にも似た含蓄に富んだ発言をしていました。 ▼曰く「自分の目標に到達するためには練習するしかない。トップアスリートやオリンピック選手で”量より質”と言っている人に会ったことがない。 トップの人は、10のことを1する。効率的に。そして、1を10個する。だから成し遂げられる。 ”量より質”と言っている人は、10のことを1しかしない。ただ楽をしたいだけだ。そんなんじゃ上手くなりませんよ!」と。 ▼里崎さんの発言は、練習量の重要性と練習の質と量の両立についての実感を伴った持論なのでしょう。 上達のためには大量の練習が不可欠であり、一流選手は質の練習を量をこなしてやっている。 真の上達には質の高い練習を大量に行なうことが必要だということを示唆しています。 ▼この発言は、スポーツに限らず、あらゆる分野での成功に通じる普遍的な真理だと思います。 蛇足ながら、野球の実況アナウンサーにとっても、春季キャンプの取材は様々な能力を鍛える絶好の機会です。 繰り返される選手の動きから的確に描写する技術を試し、選手やコーチへのインタビューを通じて情報を引き出す力を養う貴重な機会になっているのです。 ▼球春到来です。新しい春に目標に向かって質量充分に鍛えし選手たちに栄光あれ!!

2025年2月1日土曜日

音読でセラピー

2月です。先月中旬、元フジテレビのアナウンサー寺田理恵子さんの新刊「3分間の音読セラピー」が発売されました。音読シリーズの第4弾だそうです。 今回は、心理学の観点から太宰治や夏目漱石などの名作を音読することで心を整えることを目的に、単なる音読のススメとは一線を画す音読テキストになっています。 ▼文学によるセラピー効果について寺田さんは「本は人生の教科書。本の中に自分の心の問題を解くカギがあるのではないか。 文学作品は人間を学ぶ教科書。作品から人生を知り、人の心理を探ることができる。本を読むことは人間の心理を読むこと。掲載の音読作品は人間の”心”をテーマに選んだ。」と巻頭に書いています。 ▼セラピーとは、薬などを用いずに人が本来持っている力で治す療法を言います。 寺田さんは、家族を亡くし身も心もボロボロだった時に毎日の音読で体調を回復し思考もポジティブになったという自身の経験から音読にセラピー効果があることを実感し、 音読による心の癒し方や心の療法を伝えたいと思って書いたと、このたびの出版のいきさつをラジオで語っていました。 ▼寺田さんによれば、声を出すことで呼吸筋が鍛えられ呼吸が良くなる。腹式呼吸で自律神経の働きを良くしストレスの解消になる。声を出すことで声帯が鍛えられ声が良くなる。 口を動かすことで表情筋が鍛えられ表情が豊かになる。何より、文字を読んで音声に変換するという、インプットとアウトプットを同時に行うことで脳の働きが活発になり脳トレになる。 などなど、音読のセラピー効果は多岐にわたると言います。 ▼そういえば、今年の正月に大阪時代の先輩アナウンサーから貰った年賀状に「声で こころ と こころをつなげればー 今年も手をたずさえて・・・ 朗読ユニットを立ち上げて4年目、もう少し頑張ります」とありました。 音読でセラピーを目指して続けている活動なのでしょう。先輩ながら、なお意気軒高な姿勢に敬服するばかりです。

2025年1月1日水曜日

うまくなりたい!

新年です。今年こそはと、期する思いを胸に新しい年を迎えた人も多いことでしょう。 年末に放送されたテレビのNHKスペシャルで、圧巻の歴史的な好成績で昨シーズンを終えた米大リーグの大谷翔平選手が、 念願のワールドシリーズを制して今後の目標は?と問われ「うまくなりたい!シンプルにそこだけかな」と答えていました。 大谷選手らしい一言に納得と共感を覚えました。 ▼どこまでも貪欲に、そして謙虚に、”大谷翔平”とはそういう野球選手なのでしょう。 曰く「ワールドチャンピオンはチームのシーズンの目標。通過して行く1つのタイトル。野球人生を大きな括りで言えば、 一番の目標は、野球自体うまくなって自分が現役のうちにどれだけ納得できるものを残していけるかということ。《中略》 これまではいいペースで来ているが、100点満点ではないので、今後どうなって行くかを含めて楽しみにしたい」 ▼大谷選手の思考と価値観はこれまでの他の発言でも一貫しています。「無駄な試合や無駄な練習というのはない」 「悪い中にも必ず向上するヒントがある。どこまでうまくなれるか楽しみに頑張りたい」「足りない部分が見えてやることがたくさんあることは幸せ」などなど。 大谷選手にとって、改善の余地があることは喜ばしいことであり、それが彼のこれまでの成長と成功の源泉になっているのでしょう。 ▼自身の成長に対する姿勢と飽くなき向上心を端的に表わす大谷選手の言葉の数々は、私たちに、自己成長の喜びと挑戦を楽しむ姿勢の大切さ教えてくれます。 それは、単なるスポーツの世界だけでなく、私たちの日常生活や仕事でも有益な示唆となる貴重な洞察だと思います。 ▼話し方でも、「うまくなりたい!」という向上心はとても大切です。自身の不足を成長の機会として捉えること、現状に満足せず常に前進すること、 他者との比較ではなく自分自身との競争に焦点をあてること、挑戦を苦痛ではなく喜びとして捉えること、などなど、 新年にあたり心して反芻し肝に銘じたい姿勢だと思いました。

2024年12月1日日曜日

声が変われば、人生が変わる

12月です。先日、NHKテレビの「あしたが変わるトリセツショー」で声と喉のことを取り上げていました。 声を鍛えることで、人に与える印象を良くしたり、話の説得力を増したり、健康寿命を延ばしたり、さまざま改善できるという話でした。 つまり、「声が変われば、人生が変わる」というわけです。 ▼番組では、声が通らないとか声がこもるとかで悩んでいる人が案外多く、日頃のトレーニングとして”ハミング”することを勧めていました。 声帯で作られた声を口や喉で響かせることで高い周波数が生まれます。この響きが重要なのだそうです。 通る声を出すには”良いハミング”が効果的。1日4分!好きな歌などをハミングするといいということでした。 ▼また、声のかすれ対策として”ストロー発声法”を紹介していました。 声のかすれは声帯の委縮が原因だそうで、手軽に声帯周りの筋肉をバランスよく鍛えるには”ストロー発声法”が最適だということでした。 水を入れたペットボトルにストローでぶくぶく吹きながら「う~~」と発声するのです。 1セット5秒×10回、1日3セットを毎日行なえば、喉のアンチエイジングになるということです。 ▼ところで、話し方においても、声の出し方や発声発音がとても大切です。聞き手に明確なメッセージを伝える意味でも非常に重要です。 腹式呼吸で大きな声を出す⇒お腹から声を出すことで、はっきりした声になります。 口をしっかり開けて話す⇒口を大きく開けて話すことで、滑舌が良くなり言葉が聞き取りやすくなります。 ▼また、良い声が出るようになると、自己表現に自信が持てるようになります。 声は、その人の印象形成に大きく寄与し好感度をあげることができます。 さらに、声や喉の健康維持は全体的な健康状態を良くすることにも繋がります。 まさに、トリセツショーが言う「声が変われば、人生が変わる」ということになるのです。

2024年11月1日金曜日

有意義な失敗

11月1日です。きのう、大谷翔平選手のドジャースがワールドシリーズを制し4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝きました。 大谷選手にとってメジャー7年目の悲願達成です。 ワールドシリーズに出て勝つことを最優先に選んだ名門ドジャースへの移籍。そして、その1年目に鮮やかに決めた世界一です。 春先の通訳のトラブルや最終盤での左肩亜脱臼というアクシデントを乗り越えて叶えた夢の実現です。 さぞや感慨も一入のことでしょう。 ▼ところで、ワールドシリーズを前にして大谷選手がインタビューに答えていた言葉に共感を覚えました。 曰く「勝てば何でもいい。打てなくても有意義なアウトならOK」という発言です。 勝利への執念と、それに向けた打撃結果への前向きな思いが伝わってきて印象に残りました。 ▼「有意義なアウトならOK」つまり、「有意義な失敗ならOK」という姿勢は、スポーツに限らず、あらゆる分野で成功を追求する上での重要な教訓だと思います。 結果に対する執着と、それに至る過程での柔軟な考え方や適応力が、事を成功に導くカギになのでしょう。 失敗を単なる失敗ではなく、学びと成長の機会として捉える姿勢が大切なのだと思います。 ▼話し方の訓練においても、「有意義な失敗ならOK」という姿勢がとても大切です。 失敗を通じて自分の話し方や表現方法に対する改善点に気づくことができます。失敗を受け入れることでプレッシャーが軽減し自信が培われます。 また、失敗を恐れずに新しいことを試すことで自分の最適なスタイルを見つけることができます。 ▼例えば、大勢の前で話す際に緊張してうまく言葉が出てこなかったことがあったとしても、それを振り返り対処する方法を工夫することで、 本番のプレゼンやスピーチで冷静に対応できるようになります。 「有意義な失敗ならOK]という姿勢を持ち続けることで、話し方のスキルが向上し効果的なコミュニケーションを図れるようになるのです。 ▼あなたは今、何か達成したい目標に向かって取り組んでいることがありますか? 大谷選手のワールドシリーズ制覇を機に、大谷選手の姿勢から得られる教訓について反芻してみるのもいいかもしれません。

2024年10月1日火曜日

3か月という期間

10月です。今年もあと3か月です。たかが3か月、されど3か月です。 この3か月という期間は、何かを学ぶ際に非常に有効だと言われています。 確かに、数多ある塾や講座のうち3か月でひとつのステップを終了するものが多いように思います。 ▼3か月の学習期間が有効なのは、まず、短すぎず長すぎないため集中力を維持しやすいこと、 また、努力が成果として現れやすく達成感を得やすいこと、そして、モチベーションを維持しやすく次のステップに進みやすいこと、 さらに、3か月ごとに目標を設定し進捗を確認することで長期目標を達成しやすくなること、などが言われています。 ▼ところで、NHKのEテレで明日2日から「3か月でマスターするピアノ」という番組が始まります。 4月からの「世界史」、7月からの「数学」に続く「3か月でマスターする」シリーズの第3弾です。 今回の「ピアノ」は、オトナだからこそ理屈を頭で理解し課題をひとつひとつクリアすることで、「3か月で課題曲を弾けるようになる」ことを目指すと言います。 ▼実は、私事ながら70歳を機に認知症の予防になればとピアノの練習を始めました。70の手習いでした。 「大人のためのピアノ悠々塾」という教則本と添付のCDを頼りに76歳の今日も”年寄りのリハビリよろしく”ほぼ毎日ピアノに向かっています。 そんな矢先のNHKの番組です。さっそくテキストを買い求めました。心機一転、新たな挑戦をしてみようとて思っているところです。 ▼何か新しい挑戦をする際には、3か月をひとつの区切りとして計画を立ててみるのがいいかもしれません。 話し方も、3か月あればスキルをかなり向上させることができます。 基本的な発声練習、活舌の訓練、スピーチやプレゼンテーションの実践練習など、ステップを踏んで続けることで話し方が確実に上達するはずです。 話し方教室などに参加して受講生同士が切磋琢磨することも非常に効果的だと考えます。 ▼あなたは、何か具体的に学びたいことがありますか?いよいよ年末まであと3か月、目標に向かって頑張ってみましょう!