人は多かれ少なかれ癖を持っているものです。「なくて七癖、
あって四十八癖」と言います。癖のなさそうに見える人でも
7つ、癖の多そうに見える人には48もの癖があるものだと
言うのです。数の多寡はともかくとして、話す時の言葉使い
にも、自分では気付かない癖が意外と多く現れています。
先般辞職した法務大臣が会見で、「はっきり申し上げて」と
連発したことが話題になりました。たぶん口癖なのでしょう。
そう言えば昔、話の最初に必ず「まぁそのぉー」とダミ声で
連発していた総理大臣もいました。
癖は一概に悪いとは限りません。時に、個性として魅力的
なことさえあります。あの元総理の口癖「まぁそのぉー」は、
愛すべき個性だったのではないでしょうか。
しかし、癖が気になり話をきちんと聞いてもらえなかったり
嫌悪感を持たれたりしているとしたら大変残念なことです。
努力して直すべきです。とは言っても、口癖を直すのは
そう簡単なことではありません。
私も、頑固な口癖を直すのに大変苦労したことがあります。
かつて、「ズームイン朝!」というTV番組で北日本放送の
中継担当キャスターをしていた時、中継現場を呼んでくる
NTVの徳光和夫さんの呼び掛けに、「ハイハイ~!」と
応じるのが口癖になっていました。上司から”二度返事”は
ダメだと指摘されて自覚しましたが、すぐには直らず苦闘
しました。中継のたびに思わず「ハイハイ!」を繰り返して
しまい、不甲斐なさに落ち込んだ日々が随分続きました。
口癖は本人が気付かないで連発しているのがほとんどです。
だから厄介なのです。指摘してくれる善意の助言者がいると
有難いですよね。口癖を直すには、まず、口癖を自覚する
ことが肝心です。そして、直すという強い意思が大切です。
鞍田朝夫「話し方教室」では毎回、受講生に短いスピーチを
実践してもらい、他の人達には感想を述べてもらっています。
口癖の発見と改善への挑戦機会になっていると思います。
12月の教室は、「間を取って話す」と「口癖を直して話す」を
学習テーマに、2日と16日の午前10時から富山県民会館
608号室で開きます。
関心のある方はぜひ覗いてみてください。見学大歓迎です。
教室の要項は、富山県民会館のホームページに添付掲載
してある要項をご覧ください。