8月です。8日(木)から夏の高校野球全国大会が甲子園球場で
幕を開けます。富山大会で悲願の甲子園出場を決めた富山第一
高校の大舞台での活躍が楽しみです。県民として、かつて球児の
夏を実況してきた元アナウンサーとして、特別な思いでエールを
送りたいと思います。
ところで私は、アナウンサーの現役時代、様々なスポーツ中継を
担当してきました。そして、実況を通じて多くを学んできました。
とりわけ、野球実況から学んだ話し方が、アナウンサーとしての
原点になっています。
実況を研修していた新人の時、「野球は二点を結ぶ競技だよ」と
話した先輩の一言は、話し方の基本を実に端的に示唆する納得
の助言でした。曰く「野球は、ボールが選手から選手へとさながら
二つの点を結ぶように次から次へと移動する競技だ」。だから、
「点と点とを結ぶ選手のプレーぶり、一挙手一投足を、そのつど
ワンセンテンスで言い切るように描写すべし」という助言でした。
つまりは、”短いセンテンスのススメ”が助言の主旨だったのです。
往々にして私たちは、投手がボールを投げてから一連のプレーが
完結するまでを連用形の動詞で繋ぎながらワンセンテンスで話す
話し方をしがちです。しかし、そうではなく、選手の動きや情景の
一つ一つを短く言い切りながら、短文を積み重ねていく話し方を
心掛けるべきなのです。読点「、」をなるべく少なく、句点「。」を多く
する話し方です。この方法は、話し手にとっても聞き手にとっても、
情報の内容を整理しやすい、つまり、話の意味がわかりやすい、
双方にとって混乱の少ない話し方なのです。
鞍田朝夫「話し方教室」では、スピーチの実践訓練をしてもらって
います。受講生には「勇気をもってマル『。』を打つ」ことを心掛け、
言いたいことを短く言い切る話し方をするように指導しています。
あなたも、この話し方に挑戦してみませんか。
8月の教室は、「3分間で話す」と「口癖を直して話す」をテーマに
4日と18日の日曜日、午前10時から富山県民会館で開きます。
関心のある方は教室を覗いてみてください。見学を歓迎します。
教室の要項は、富山県民会館のホームページに添付掲載して
あります。ぜひごらんください。