4月です。新年度です。鞍田朝夫「話し方教室」は5年目を
迎えます。今年度は、発声発音練習として、これまでの「口
の体操」に加えて、大伴家持が万葉集に残した越中ゆかり
の歌の音読に取り組みたいと考えています。家持の「越中
万葉」を時と場所を気にせず声に出してみることを日々の
習慣にしてもらいたいと思っています。
「越中万葉」とは、万葉集を編纂した大伴家持が越中国守
として、いまの富山県高岡市伏木に赴任した天平18年(
746年)から5年間に詠んだ歌を中心にした越中ゆかりの
多くの歌々を言います。因みに、万葉集全5416首のうち
473首が家持の作だと言われています。そのうちのほぼ
半数の223首が越中国守在任中に詠まれた歌なのです。
これに、家持の部下たちが詠んだ歌々を加えた337首が、
いわゆる「越中万葉」と言われるものです。
教室では、家持の詠んだ万葉歌、とりわけ、二上山、立山、
射水川、雄神川、奈呉の浦、英遠の浦、布勢の水海など、
富山県の万葉故地が詠み込まれた歌を毎回2首ずつ音読
していきます。平成22年度の教室では、百人一首の音読
に取り組んでもらいました。和歌の音読は、発声発音練習
としてとても有効だと考えます。現代語と違う発音の言葉が
あり滑舌練習にもなります。声に出して読む教材としては
とても手軽で効果が期待できる適材だと思います。暗誦
できれば、ながら練習にもってこいです。加えて、家持が
触れた越中の豊かな自然や風土、人情などを思い浮かべ
ながら音読することは、自らの情操や感性を磨く意味でも、
とても意義あることと考えます。
関心のある方は、ぜひ教室にご参加ください。
鞍田朝夫「話し方教室」、4月は「明るい声で話す」「歯切れ
よく話す」をテーマに、6日と20日の午前10時から富山県
教育文化会館5階の504号室で開きます。