2017年7月1日土曜日

喉を鍛える

先日、某週刊誌が「喉を鍛えれば肺炎の予防になる」という主旨の
特集を掲載していました。それによると、年齢とともに喉の筋肉が
衰えて食べ物を飲み込む力が低下し食べ物が誤って気管に入る、
いわゆる「誤嚥性肺炎」を引き起こし、これが引き金となって肺炎を
発症し亡くなる高齢者が多いというのです。現在、肺炎が日本人の
死亡原因の3位で、肺炎で死亡した人の約90%は誤嚥性肺炎が
原因だということです。
3年前に、父が誤嚥性肺炎で緊急入院し、その後も肺炎を繰り返し、
快復することなく亡くなっているので、卑近な現実として特集記事を
読みました。父が入院中幾度となく、ゼリー状の食べ物で飲み込む
練習を指導して貰い、その度に、誤嚥による肺炎を再発して高熱に
苦しんでいたことを思い出します。
件の特集は、飲み込む力(嚥下機能)を維持するために、普段から
喉を鍛えていることが大切だというのが主題でした。
喉は、嚥下の他に、呼吸や発声という、日常生活に欠かせない3つ
の機能を担っており、普段の生活で、しっかり呼吸し、しっかり声を
出す習慣を身につけることが、喉の健康につながるということです。
つまり、発声も飲み込む力と密接な関係がある、というわけです。
嚥下の専門医によれば、声帯は咽頭(のど仏)のすぐ後ろ側にあり、
吐き出す息で振動させることによって声を出す仕組みになっており、
大きな声や高い声を出すと、咽頭の筋肉が刺激され喉の効果的な
トレーニングになるというのです。
教室で毎回行なっている「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」の発声練習や
各行の滑舌練習、新聞のコラムの音読など、意識的に声をしっかり
はっきり出す訓練が、話し方の向上のみならず、喉の機能維持にも
役立っているのだと、特集を読んで確信した次第です。
7月の鞍田朝夫「話し方教室」は、2日と16日の日曜日に開きます。
いずれも、午前10時から富山県民会館の608号室で開講します。
テーマは、2日が「短いセンテンスで話す」、16日が「ひとつだけを
話す」です。入会前の見学を歓迎します。事前に☎076-431-3248に
ご連絡いただければ幸いです。