先日、ラジオの情報番組で、ゲストのフリーライターが「ここ数カ月間、
政治家や官僚の言い訳ばかり聞いている気がする。絶対に謝っては
いけない人種なのか!? とにかく、はぐらかそうとする言葉ばかり
使っている」と、政治家や官僚の曖昧な言葉に苦言を呈していました。
不徳の致すところ、職責を果たすのが困難、記憶のかぎり、誤解を
招きかねない、等々、いずれの表現も、問題の核心をはぐらかそうと
する底意が見え隠れする典型だと指摘した上で、「遺憾」という言葉も
政治家や官僚が常套句として多用しており、このような曖昧な言葉に
馴れてはいけないのではないかと持論を展開していました。
「遺憾」とは、憾みを遺すという意味です。辞書には、思っているように
ならなくて心残りであること。残念なこと。または、そのさま。と、語釈
されています。また、用例の「遺憾の意を表する」には、自分の行動を
釈明し詫びる場合にも、相手の行動に対して非難の気持を表す場合
にも用いる。と注釈されています。
つまり、「遺憾」という言葉は、他人の行動に使うと非難になり、自分の
行動に使うと謝罪の意味になるのです。しかし、元々の字には「謝罪」
の意味が含まれていません。そこで実際には、「不本意」に近い意味で
使われることが多く、謝っているように見えて、実は謝っていない、言葉
なのです。謝罪したくない政治家や官僚にとっては、実に便利?な言葉
なのかもしれません。
テレビである元プロ野球選手が言っていました。「日本には、『謝れば
赦す』という文化があるのだから、森友問題も加計問題も、安倍さんが
早くにちゃんと謝っていれば、こんなにゴタゴタしなかったのに・・・」、と。
共感できる発言でした。確かに、いま国民の間に漂う「もやもや感」は、
きちんと謝罪すべき政治家や官僚が、適宜、適切な言葉で、ちゃんと
謝っていないせいなのだろうという気がします。
さて、5月の鞍田朝夫「話し方教室」は、6日と20日の日曜日に開講
します。いずれも、午前10時から富山県民会館608号室で開きます。
6日が「ひとつだけを話す」、20日が「3分間で話す」が学習テーマです。
関心のある方の見学を受付けます。☎076-431-3248にご連絡
いただければ幸いです。