9月です。暑い夏でした。そして、例年になく高校野球の熱戦に
感動した夏でした。地元の高岡商業が初めて甲子園で3回戦に
進みあの大阪桐蔭に善戦したこと、平成最後の怪物と騒がれた
金足農業の吉田輝星投手が期待通り渾身の力投を見せたこと、
大阪桐蔭が数々の重圧を乗り越え史上初の2回目の春夏連覇
という快挙を達成したことなど、興奮の毎日でした。
熱闘の数々に触発され駆け出しの頃を思い出してしましました。
若い頃に一時期、局アナとして甲子園での夏の高校野球中継に
携わったことがあります。昭和48年夏の第55回記念大会では
毎試合、炎天下のアルプススタンドから三塁側のチームの応援
リポートを担当しました。作新学院の江川卓投手が怪物として
世間の注目を集めた年です。翌49年には、初めて実況を担当
しました。高岡商業と函館有斗高校との試合でした。高校野球の
実況デビューがたまたま故郷富山の高校の試合になったことに
不思議な巡り合わせを感じながら本番に臨んだことを懐かしく
想い出します。
その後、昭和51年に富山に帰ってから15年間、甲子園出場を
めざす地元の高校球児の熱い夏をラジオテレビを通じて県民に
伝えてきました。県予選を実況中継する地方大会の期間は私の
いわば正月でした。私の”一年の計”は高校野球の実況中継に
ありました。スポーツを実況する機会が多くない地方にあっては、
一年に一度それまでの日頃のアナウンスを振り返り新たな一年
を踏み出すための点検と挑戦をする大切な機会でした。
私のアナウンサーとしての原点は、野球の実況描写にあります。
正確に、具体的に、短いセンテンスで・・・という、話し方の基本の
多くを高校野球の実況を通じて学んだように思います。
さて、9月の鞍田朝夫「話し方教室」は、2日と16日の日曜日に
開講します。いずれも、午前10時から12時まで富山県民会館
608号室で開きます。テーマは、2日が「話材を整理して話す」
16日が「初めてのスピーチで話す」です。見学を受け付けます。
☎076-431-3248、又は、eメールkurata2347@gmail.comへ
ご連絡いただければ幸いです。