先日、大学のクラス会で上京した折、「はとバス」に乗車し箱根と
富士山を巡りました。朝8時に東京駅に隣接する乗り場を出発し
夜7時に帰ってくる強行軍のバスツアーでした。箱根では、新緑
鮮やかな芦ノ湖を船で遊覧し、初めて訪れた富士山五合目では、
幸運にも頂上の威容を間近に見上げ、富士山の伏流水に水源
を発する忍野八海では、神秘的な湧水池を訪ねました。
この間、私達の旅を演出してくれたのが入社5年目の女性ガイド
でした。車窓の景色、由緒ある建物や場所、訪問予定の観光地
の関連情報などを、歴史的エピソードや豆知識を織り交ぜながら
乗客に楽しく紹介する話し方は実に心地よいものでした。プロの
鮮やかな仕事ぶりに感心しました。
処で、新人のバスガイドの研修はなかなか大変だと聞きました。
接客、言葉遣い、身だしなみ、挨拶の仕方、車両のバック誘導、
事故が発生した時の乗客の誘導、などなど多岐にわたっている
ようです。とりわけ、観光案内の研修は、発声、発音、滑舌練習
に始まり、観光地の地理や歴史に関する膨大な資料を暗記する
ことが求められるといいます。また、車上実習では、ベテランの
ガイドが教官となり、「どこでどの観光名所や車窓の風景を案内
すべきか」などを厳しく指導されるのだといいます。
覚えたことや備えたことを、場に適った機転を利かせて楽しく人に
紹介していくことは容易なことではありません。暗記したことを単に
なぞるだけでは人に伝わりません。個性的で魅力的なバスガイド
には弛まぬ努力の跡が偲ばれます。さながら、霊峰富士の雪が
悠久の時を超えて伏流水となり、忍野盆地の八つの池に霊泉と
して湧き出して観光客を神秘の世界へ誘っているように・・・。
さて、6月の鞍田朝夫「話し方教室」は、2日と16日に開講します。
午前10時から富山県民会館608号室で開きます。学習テーマは、
2日が「上がらないで話す」、16日が「話しかけるように話す」です。
関心のある方の教室の見学を歓迎します。 ☎076-431-3248か
Eメールkurata2347@gmail.comに予めご連絡いただければ
幸いです。