2021年7月1日木曜日

作物と農作物

7月になりました。夏本番を迎えます。スーパーにはトマトやナス、きゅうり、スイカなど夏の「作物」が並べられています。 また、新じゃが、新玉ねぎなど「新」のつく旬の「農作物」が山積みされ販売されています。 ▼ところで、この「作物」と「農作物」という言葉、皆さんは何と読んでいますか? 「作物」は「サクモツ」?「サクブツ」?それとも「サクモノ」?、そして、「農作物」は「ノーサクモツ」?それとも「ノーサクブツ」? ▼大辞林には、「作物」は、【さくぶつ】=作ったもの。特に、芸術的作品。【さくもつ】=田畑に植えて栽培する植物。農作物や園芸作物。 【さくもの】=刀剣、器具など名工の製作品。名作。と、読み方により違う意味の言葉として載せられています。 一方「農作物」は、【のうさく】「農作」=田畑を耕し、作物を作ること。耕作。と語釈した上で「農作」の派生語として「農作物」が表記され、 【のうさくぶつ】=〔「のうさくもつ」とも〕田畑で栽培する野菜・穀類など。農耕による生産物。と説明されています。 ▼最近は、大辞林にもあるように「ノーサクモツ」という読み方も可なのでしょうが、私が駆け出しのアナンサーだった頃(1970年代)は、 「作物」と「農作物」を、「サクモツ」、「ノウサクブツ」と厳格に読み分けるように指導されたものです。 因みに、その時に使っていたアクセント辞典には、「ノーサクブツ」の表記はありますが、「ノーサクモツ」は載っていません。 ▼元々「農作物」は、「ノーサクブツ」だったのでしょう。「農作」の「物(ブツ)」だから「「ノーサクブツ」なのです。 「農」の「作物(サクモツ)」ではありません。 他にも同様に、「著作物=著作+物」「工作物=工作+物」なので、それぞれ「チョサクブツ」、「コーサクブツ」と読みます。 一方、「畑作物」は、「畑」の「作物」なので、「ハタサクモツ」です。「畑作」の「物(ブツ)」かと勘違いしそうですが、 「ハタサクブツ」ではありません。 時には、言葉の意味や読み方などについてあれやこれや徒然に思索してみるのもいいものです。 ▼さて、7月の鞍田朝夫「話し方教室」は、4日と18日に開講します。午前10時から12時まで富山県民会館608号室で開きます。 学習テーマは、4日が「短いセンテンスで話す」、18日が「三段階話法で話す」です。入会を検討される方の事前見学を受け付けます。 予め、☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.comへご連絡いただければ幸いです。