2023年8月1日火曜日

即時描写のススメ

8月です。高校野球の夏の甲子園大会が6日に開幕します。富山からは、富山商業が9年ぶりに出場します。 17回目の夏の甲子園です。古豪復活です。久しぶりの晴れ舞台で大いに活躍してもらいたいものです。 ▼甲子園球場は、高校球児の夢の舞台です。筋書きのない球児の熱闘の感動舞台です。 私にとっても、甲子園は特別な球場です。野球の実況アナウンサーとして歩み始めた想い出の球場です。 ▼昭和49年8月1日、プロ野球の阪神VS広島戦、同10日、高校野球の高岡商業VS函館有斗戦で、野球の実況デビューしました。 この時季になると、緊張しながら本番に臨んだ駆け出しの日々が懐かしく想い出されます。 ▼野球の実況は、アナウンサーとしての私の原点です。野球の実況を通じて多くを学んできたように思います。 いつも心掛けたことは、短文を積み重ねて具体的に話すことです。選手の動きや情景のひとつひとつを短く言い切りながら短文で描写する話し方です。 ▼また、野球の実況には、正確な即時描写力が求められます。選手の一挙手一投足やスタンドの様子などを忠実に描写することが求められるのです。 故郷富山の地元局に移ってからも、県内の球児の夏をテレビラジオで伝えて来ましたが、即時描写力が維持できているかが毎年の課題でした。 ▼そこで、日頃の訓練として様々なことを試みたものです。車を運転しながらの即時描写、ウォーキングしながらの情景描写、 そして、テレビのスポーツ中継を見ながら音声を消しての模擬実況、などなどです。 ▼即時描写は、アナウンサーのトレーニングの基本です。私たちの日頃の話し方の訓練にも有効だと思います。 目に入る風景や情景を言葉にすること、その場の状況を言葉にしていくこと、即時描写は言葉に瞬発力をつけることにもなります。 ▼とにかく、具体的に話すことです。物事を漠然と眺めていても適切な言葉は出て来ません。細かい観察力を身につけることが大切です。 そして、観察した情景をそのつど具体的な言葉にしてみることです。 日頃のいろんな機会や場面を捉えて即時描写を試みてみませんか。きっと、即時描写の上達に比例して、話し方が格段に向上することでしょう。 ▼さて、8月の鞍田朝夫「話し方教室」は、6日と20日に開きます。富山県民会館608号室で午前10時から12時まで開講します。 学習テーマは、6日が「間を取って話す」、20日が「わかりやすい表現で話す」です。入会を検討される方の事前見学を受け付けます。 予め、☎076-431-3248 か kurata2347@gmail,comへご連絡いただければ幸いです。