2023年11月1日水曜日

”深さ”と”浅さ”

11月です。いよいよ錦秋の候。各地の紅葉情報に秋の深まりを感じます。 秋は、空気や風景が徐々にそれらしくなっていくという意味で、深まるという言葉が最もふさわしい季節かもしれません。 次第に深まりゆく秋の”深さ”を日に日に実感する時季ではあります。 ▼ところで、何事にも”深さ”と”浅さ”はあるものです。話にも”深さ”と”浅さ”があります。 「深い話」とはどのようなもので、話に”深さ”を出すにはどのような能力が必要なのか。 また、その能力をどう伸ばせばいいのかを詳しく解説した本があります。 ▼明治大学教授の齋藤孝さんの”いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い」人”という本です。今年の2月に出版されました。 齋藤教授は、これまでに上梓した”声に出して読みたい日本語”や”語彙力こそが教養である”などの著書で知られる話し方の第一人者です。 件の本も、「あの人は深い」と言われる話し方、その真髄に迫る本です。 ▼齋藤教授によれば、話に”深さ”を出すために必要なことは「展開力」と「本質把握力」、そして、「具体化力」の3つだということです。 展開力は、話が薄っぺらにならないだけの情報力と知識力を身につけ展開していく力。 本質把握力は、上っ面をなぞるだけの話にならないよう核心の部分をつかみ提示する力。 具体化力は、話が抽象的にならないための適切なエピソードを例示する力。だそうです。 ▼さらに、齋藤教授は強調します。最終的に必要なのはアウトプットする能力。 どんなに教養や知識があり、深い本質を知っていて、様々な経験やエピソードを持っていたとしても、上手に話せなければ宝の持ち腐れ。 つねに、人に話す経験を積むこと。アウトプット能力は、実際に練習しないと上達はしない。けだし、話し方の権威の至言だと思います。 ▼さて、11月の鞍田朝夫「話し方教室」は、5日と19日に開きます。富山県民会館608号室で午前10時から12まで開講します。 学習テーマは、5日が「話し読み練習法で話す」、19日が「筋道を立てて話す」です。入会を希望する方の事前見学を受け付けます。 予め、☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.comへご連絡いただければ幸いです。