2024年6月1日土曜日

改めて「聞く力」を読み返す

6月です。雨の季節です。晴耕雨読を決め込んで、日がな一日読書にふけるのも一興かもしれません。 ▼阿川佐和子さんの平成24年刊行のベストセラー「聞く力」を改めて読み返してみました。 と言うのは、話題の近著「話す力」の出版理由が、「聞く力」の読者から意外にも「話の切り出し方の参考になった」という声が多く、 ならば、「話す」をテーマにまとめてみようということになった次第、ということだったからです。 ▼件の「聞く力」は、インタビュアーとして多くの人達の話を聞いてきた阿川さんが、 その経験に基づいて話を聞くことについての様々な要諦をまとめたものです。 そこには、インタビュアーだけでなく、私達の日常会話やビジネスシーンなどで役に立つ 「聞く力」をつけるためのヒントが、具体的なエピソードを通じて多く示唆されています。 ▼阿川さん曰く、「聞く」という作業は、何も私のように生業にしなくとも、誰もが一日に何度となく、 まるで呼吸をするごとく、自然に行なっていることだと思います。 道を聞く、値段を聞く、講義を聞く、お喋りを聞く、愚痴を聞く、自慢話を聞く、いい加減に聞く、熱心に聞く、迷惑そうに聞く…。 ▼阿川さんの「聞く力」を改めて精読し、“聞くは話すことの追求なり”の感を強くしました。 聞き上手とは? 聞く醍醐味とは? 話しやすい聞き方とは? 阿川さんがインタビューを通じて教訓を得たエピソードの数々は、聞くことに試行錯誤しながら確信した話し方の奥義なのだろうと感じました。 ▼鞍田朝夫「話し方教室」では、スピーチの実践練習の際に、参加した受講生全員に聞いた感想を短くコメントしてもらっています。 他の受講生のスピーチを聞くことで学ぶべきことがたくさんあるはずです。 人の話し方、身のこなし、息遣い、話しの内容、話の展開の仕方、等々倣うべきことが数多あるはずです。 人の話しを聞いて感想をコメントすることは、人の話を咀嚼し自分の言葉で自分を表現することです。 まさに、自らの話し方を磨くことに他ならないと考えます。