2025年7月1日火曜日

「・・・と思っていて」という言い方

7月です。西日本の各地では先月27日に早くも梅雨明けが宣言されました。異例な早さの梅雨明けだそうです。 わが北陸地方の梅雨明けはどうなるのか、そして、梅雨明け後の暑さがどうなのか、大いに気になるところです。 ▼気になると言えば、最近テレビのコメンテーターなどがよく使う「・・・と思っていて」という言い方がとても気になっています。 話し方教室で「短いセンテンスで、話はそのつど言い切りましょう!」と指導している手前、 「・・・と思っていて」という連用形の言い方を終止形の文意として使う人が最近富に増えているようで気になっていました。 そしたら、歌人の俵万智さんも、近著の「生きる言葉」の中で同様の感慨を書いていました。 ▼曰く「最近、私が気になる不思議な言い回しは、話の途中で「・・・と思っていて」というもの。 どうなるのかと聞いていると、特にどうというわけでもなく、ただ思っているということのようだ。 それを「・・・と思っています」と言い切らずに、言いさしの表現のまま、次の話に進んでいく。 おばさんとしては、とても気持が悪いのだが・・・」と。 ▼本来「・・・と思っていて」には、その状態が今も続いている、あるいはその考えを持ちながら何かをしている、というニュアンスがあります。 例えば、「私はこの案がいいと思っていて、みんなにも提案したいです」のように、 単なる意見表明にとどまらず、その考えをもとに行動しようという場合に使う言い方なのです。 ▼そもそも「・・・と思っています」は、自分の考えや意見をやや控えめに伝える表現です。 近年は、断定を避けて柔らかく伝える表現が好まれる傾向がとりわけ強まっているように思います。 その典型として「・・・と思っていて」が、相手に押しつけず自分の考えを控えめに共有する言い方として重宝に使われているのかもしれません。 ▼とは言え、「・・・と思っていて」があまりに多用されると、話が冗長になったり、曖昧な印象を与える話し方になったりしかねません。 意見をしっかり伝えたい場合は、時に意識して「・・・と思っています」と話したいものと考えるのですが・・・。