2025年12月1日月曜日

挫折を糧に!

12月です。新年まで1か月、いよいよ我らが朝乃山が来年の大相撲の幕内の土俵に帰ってきます。 先月の九州場所を12勝3敗の好成績で終え、来月の初場所での幕内復帰が確実視されています。再入幕となれば、およそ1年半ぶりのことです。 大関経験者が2度の三段目転落を経て幕内に返り咲くのは初めてのことだそうです。挫折を糧に!史上初の復活劇です。 ▼「挫折というチカラ」という本があります。 青山学院大学陸上部を駅伝強豪校へと育て上げた原晋監督が、その勝負強さや成長の源は「挫折体験」にあると説く本です。 挫折を体験することで、折れない心、諦めない姿勢、チャレンジ精神が育まれる。挫折こそが成功のもとになると論じています。 ▼件の書では、原監督自身の人生も挫折の連続だったことを吐露し、その経験が「諦めない青学」を作り上げることになった実感を披瀝しています。 また、挫折からどのように再起し、さらに高みへどうステップアップするかの思考法や心構えを示しながら、選手たちのインタビューを通して「折れない心」の作り方を探求しています。 ▼原監督によれば、挫折とは、自分で目標を立て、そこに向けて必死に努力したけれども、「外的要因」に打ちのめされて、それを達成できなかった経験だということです。 よって、「挫折こそが成功のもとである!人は折れたら折れただけ強くなる!心のかさぶたをどんどん厚くせよ!世の中の人よ、もっと挫折せよ!」と、持論を列挙しています。 さながら、逆説の真理ともいうべき原監督らしい持論です。 ▼「勝って奢らず、負けて腐らず」。先場所の朝乃山が何度も口にした言葉です。 「幕内に戻って、どこまで通用するか。来年は三役に戻りたい」。九州場所後に朝乃山が語った言葉です。 幕内復帰を目指した今年、三役返り咲きを目指す来年。 原監督の言う「挫折というチカラ」を信じて、2度の挫折を糧に、新しい朝乃山の諦めない相撲人生に期待したいものです。