富山県民会館で開催している鞍田朝夫「話し方教室」、
11月は、6日と20日の日曜日午前10時から開きます。
学習テーマは、6日が「わかりやすい表現で話す」、
20日が「正しい敬語で話す」です。
スピーチや挨拶を頼まれると、ついつい力が入って、
格調高い話にしたいと思うあまり、結果的に難しい漢語を
多用した分かりにくい話になってしまうことがあります。
今年の文化勲章を受章する小説家の丸谷才一さんは、著書の
「桜もさよならも日本語」の中で、話し上手を育てるうえで
大切なのが言葉選びで、相手がよく知らない(さらに自分でも
意味がはっきりしない)難しい言葉や誤解の余地がある言葉を
避けることだ、と書いています。これだけで話しの質がずいぶん
上がるし、相手にもよく通じるようになる、とも言っています。
漢語は、表意文字としての説得力と格調はあるかも知れませんが、
話し言葉として使いすぎると、聞き手に意味が伝わらない曖昧な
話になりかねません。難しい漢語は、噛み砕いて話すように
することが大切です。
一方、正しい敬語表現は、社会人として身につけておくべき
大切なマナーです。しかし、おかしな表現が横行しています。
尊敬語と謙譲語の混同や美化語の「お」と「ご」の誤用、
二重敬語や「さ」いれ言葉など、間違った敬語表現を日頃
ずいぶん耳にします。また、敬語の使いすぎも避けなければ
なりません。かえって嫌味で誠意の伝わらない結果になって
しまうことがあります。
丸谷さんは「日本人は、欺瞞的低姿勢の語法を少し慎んだ
ほうがいいと思う」と前述の著書で苦言を呈しています。
6日の鞍田朝夫「話し方教室」では、漢語と和語について、
20日には、間違いやすい敬語表現について考えます。
関心のある方は、ぜひ教室を覗いてみて下さい。
教室の概要は、富山県民会館ホームページに添付してある
要項をごらん下さい。