「読み書きそろばん」は、幕末期以降の初等教育の基本でした。
ここで言う「読み」とは、声に出して読むこと、音読することを意味
しています。江戸時代の寺子屋では、論語などの漢文を大きな
声で素読することが子供達の日課でした。素読、つまり、文章の
意味を気にせず暗誦できるようになるまで何度も何度も繰り返し
音読することが、武家の子弟の毎日の勉強だったのです。
かつては、小学校の国語の授業も音読が中心でした。ところが、
「大きな声で読むだけでは勉強ではない」という考え方からか、
国語の授業から音読する習慣が消えかけていた時期があった
ようです。しかし、最近はまた音読が見直されています。
声に出して読むということは、カラダを使って文章を咀嚼すると
いうことです。スポーツの世界でも「カラダで覚えろ」を合言葉に
基礎練習が繰り返し行われることがあります。音読することも、
お腹から声を出しているという実感、声に出して何かを読んで
いるという実感、この実感がとても大切なのです。
音読することは、話す力をつけるのにとても有効な方法です。
音読することで、日本語のカタチが身につきます。整然と書か
れた文章を声に出して読むことは、人前できちんと話すことに
繋がっていきます。音読は、上手な話し方の第一歩なのです。
私は、受講生に新聞や週刊誌を音読するよう勧めています。
発声練習になります。情報収集にもなります。一石二鳥です。
鞍田朝夫「話し方教室」ではまた、毎回音読の実践訓練として
滑舌練習などに取り組んでもらっています。
音読するということは、言葉を意識することです。文字に血を
通わせ、カラダを使ってその意味を取ることなのです。
あなたも教室に参加して音読の習慣を身につけませんか。
関心のある方は、ぜひ教室を覗いてみてください。
5月の鞍田朝夫「話し方教室」は、5日が「上がらないで話す」、
19日が「話しかけるように話す」をテーマに、富山県民会館の
608号室で午前10時から12時まで開講します。
関心のある方は、ぜひ教室を覗いてみてください。