大相撲名古屋場所は、白鵬の歴代最多勝記録の更新と39回目の
優勝で幕を閉じました。相撲界では、最近、四股や摺り足、鉄砲など
の従来の典型的な準備運動に加えて、体幹トレーニングに取り組む
力士が多いそうです。白鵬が所属する宮城野部屋でも、若い力士が
稽古前に土俵脇にバスタオルを敷き、腹筋や背筋など体の中心部
を鍛えるトレーニングに汗を流しているといいます。
相撲界で体幹トレーニングの重要性が再認識されたのは、去年の
初場所で日本出身力士として10年ぶりに優勝した琴奨菊の活躍
が要因だったようです。琴奨菊が、永年のケガや不振を乗り越えて
結果を出すことができたのは、”ケトルベル”と呼ばれるヤカン型の
ダンベルを使ったトレーニングなど、体幹の強化に励んだからだと
当時ずいぶん話題になりました。
体幹とは、広い意味では胴体のことですが、狭い意味では、胴体の
深層部の4つの筋肉、つまり、横隔膜、腹横筋、多烈筋、骨盤底筋
群を指して言うのだそうです。これらの筋肉は、目に見えず動きも
わかりにくいため、いざ鍛えようとしても意識しにくい筋肉なのです。
故に、意識的な体幹トレーニングが注目されるのです。
話し方で大切なこと、とりわけ、声の出し方についても、意識的に
鍛えることが肝要な筋肉や器官があります。発声する際の、息を
送り出すための横隔膜、声帯を振動させるための咽頭筋、声帯の
振動音を体の中で反響させる共鳴腔、言葉を形成するための口の
周りの口輪筋などです。これらは、鍛えたり活性化したりする努力
を意識的にしていないとどんどん衰えてしまします。
発声や発音練習は、話し方向上の根幹です。体幹を鍛える力士に
倣って、日々地道に努力していたいものです。
8月の鞍田朝夫「話し方教室」は、6日と20日の日曜日に開きます。
いずれも、午前10時から富山県民会館の608号室で開講します。
6日は「間を取って話す」、20日は「わかりやすい表現で話す」が
学習テーマです。入会前の見学を受付けます。☎076-431-3248に
事前にご連絡いただければ幸いです。