日大アメフト部の選手による悪質な反則タックルの問題で、当該
選手と監督・コーチの記者会見を見て感じたことがあります。
事の真相や問題の深層はさておき、双方の言葉の力、話し方や
発言の説得力に雲泥の差があったことです。
あの差は一体何だったのでしょうか。偏に、記者会見への備えと
覚悟の有り無しが大きな違いだったのではなかったでしょうか。
片や、反則に至った顛末を具体的で詳細な文書で準備し、自ら
の非を心から詫びる強い覚悟で臨み、片や、後手を踏んだ形で
慌ただしく然したる備えもなく臨み、しかも、謝罪の覚悟が曖昧で、
ひたすら弁解に終始した会見だったように感じました。
ところで、備えと覚悟は人前で話すときにも求められる要諦です。
今月の学習テーマ「上がらないで話す」と「口癖を直して話す」も、
事前の備えと覚悟が重要なカギのように思います。
上がり症か?そうではないのか?といえば、大方の人が上がり症
です。小人数の人前や友人の前ならそれほど上がらずに話せる
のに、大勢の人を前にしてのスピーチや改まった場所での挨拶と
なると上がってしまうという人がほとんどです。なぜ上がるのか?
それは、十分な準備と覚悟が足りないからです。
一方、人は誰でも何らかの癖を持っているものです。特に、話し方
で気になるのは「えー」「あのー」などの口癖でしょう。少なければ
気になりませんし、かえって話に味わいが出てよいかもしれません。
程度の問題です。「えー」や「あのー」を連発してしまうのは、準備と
覚悟不足のせいです。ついつい何を話していいかわからなくなり、
口癖を連発することになるのです。
しっかり準備し、それなりの覚悟があれば、上がり症と口癖は必ず
克服できるはずです。
さて、6月の鞍田朝夫「話し方教室」は、3日と17日に開きます。
いずれも、午前10時から12時まで富山県民会館の608号室で
開講します。見学を受付けます。事前に☎076-431-3248にご連絡
いただければ幸いです。