新聞のコラムは、いろんな意味で話し方の参考にすべき身近な
教材だと思います。主題の視点、話題の構成、短いセンテンス、
等々、言いたいことをわかりやすく表現する典型として話し方の
ヒントになると感じています。
コラムとは、新聞や雑誌の短い囲み記事のことです。もともとは
古代ローマ建築の石の円柱を意味する言葉だそうです。横書き
の英字新聞では縦型の余白ができることがあります。その余白
が円柱の形に似ていることから、その縦長のスペースに書く短い
記事をコラムと呼ぶようになったということです。因みに、日本の
新聞は縦書きなので、コラムは、横型の余白を利用した横長の
囲み記事になっているのです。
新聞のコラムは、限られた文字数で、要点を絞り、読者が内容を
すばやく理解できるように推敲に推敲を重ねて書かれています。
また、新聞の記事には個人的な考えが書かれることは基本的に
ありませんが、コラムには執筆者の個人的な考えや意見が書か
れています。それだけに、記事に比べて綿密なリサーチに基づく
客観的な視点が重要なのでしょう。社説を担当する論説委員の
知人が、社説よりコラムの方がずっと難しいと話していたことを
思い出します。
そんな、ベテランの新聞記者が熟考して書いているコラムから
話し方のヒントを学ぶべく、鞍田朝夫「話し方教室」では、毎回、
地元紙のコラムを全員で音読しています。コラムをしっかり読み、
その内容を執筆者の表現に倣って自分流に話してみることで、
話し方のいい訓練になると考えます。とりわけ、短いセンテンス
による話題の展開は大いに参考にしたらいいと思います。
ところで、7月の鞍田朝夫「話し方教室」は、きょう1日と15日の
日曜日に開講します。いずれも、午前10時から12時まで富山
県民会館608号室で開きます。1日は「短いセンテンスで話す」
15日が「三段階話法で話す」が学習テーマです。教室の見学を
受付けます。事前に☎076-431-3248にご連絡頂ければ
幸いです。