2021年5月1日土曜日

他人事

不要不急の外出自粛が求められる2度目の大型連休です。 首都圏や関西圏では感染力の高い新型コロナの変異株が猛威を振るっています。特に大阪が深刻です。 東京や大阪の現状は決して「他人事」ではありません。 富山県内でも新規の感染者が連日報告されています。変異株の蔓延が気がかりです。 ▼ところで、「他人事」という言葉を何と読みますか? 本来の正しい読み方は「ヒトゴト」です。しかし最近は、多くの人が「タニンゴト」と読んでいるようです。 一般的には既に「タニンゴト」の方が浸透しているのかもしれません。 ▼もともと「ヒトゴト」という言葉があり、戦前の辞書は「人事」と「他人事」の両方の漢字を当てていたようです。 ところが、「人事」と書くと”じんじ”と読めてしまいます。 そこで、区別するため「他人事」という漢字に「他人(ひと)事」とルビをふるようになり、 それが、そのまま「他人事」=「タニンゴト」と読まれるようになったと思われます。 ▼しかし、辞書には「他人事=「タニンゴト」の記載はまだ少数派のようです。 3年前に大改訂された広辞苑には、ひと・ごと【人事・他人事】自分とは無関係な、他人に関する事。また、世間一般の事。よそごと。と記したうえで、 近年、俗に「他人事」の表記にひかれて「たにんごと」ともいう。と追記されています。 因みに、私がアナウンサーになった時(1972年)に買った三省堂のアクセント辞典には、 ヒトゴト=人事(~で無い)と記載されており、「他人事」の表記はありません。 ▼言葉は時代とともに変化していきます。「他人事」=「タニンゴト」が、やがては多数派になるのかもしれません。 ただ、典型的な表現の「他人事で無い」の場合、「ヒトゴト」と「タニンゴト」ではニュアンスに少し違いを感じます。 「ヒトゴト」には、惻隠の情というべきか、他人のことを傷ましく思って同情する心が感じられます。「タニンゴト」には、”赤の他人”が連想されて 惻隠の情は感じられません。やっぱり、他人事=「ヒトゴト」がしっくりきます。あくまでも私見です。あなたはどう思いますか? ▼さて、5月の鞍田朝夫「話し方教室」は、今のところ、明日2日と16日に開講する予定です。 2日は「ひとつだけを話す」、16日は「3分間で話す」が学習テーマです。 いずれも、午前10時~12時まで富山県民会館608号室で開きます。 問い合わせは、☎076-431-3248 か Eメールkurata2347@gmail.comにお願いします。

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