2025年10月1日水曜日
「ばけばけ」と「ヘルン文庫」
10月1日です。一昨日からNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」が始まりました。
舞台は明治時代の島根県松江市です。主人公の没落士族の娘・松野トキ(モデルは小泉セツ)が、外国人の夫(モデルは小泉八雲=ラフカディオ・ハーン)とともに
急速な西洋化の中で健気に暮らす姿を描く物語です。
▼「ばけばけ」は「化ける」の意味で、変わりゆく時代に取り残された人々の思いが素晴らしいものへと化けて行くというのがテーマだそうです。
没落した士族の苦労や互いに支え合う家族の姿を通して「この世はうらめしい。けど、素晴らしい。」が作品のキーワードだといいます。
▼ところで、小泉八雲が生前収集した蔵書群コレクションが富山大学附属図書館に所蔵・管理されています。「ヘルン文庫」です。
2435冊の図書のほか、八雲の手書きの原稿や関連文献などが含まれているということです。
「ヘルン文庫」の膨大な蔵書群は、八雲が日本に来てから集めたもので文学的創作の資料として重要なものとされています。
▼そもそも、小泉八雲の蔵書コレクションがなぜ富山大学にあるのか?
いきさつはこうです。大正12年の関東大震災で多くの資料を焼失した八雲の遺族が難を逃れた蔵書の安全な保管先を探していました。
折しも旧制富山高等学校(現・富山大学の前身)の設立準備を進めていた関係者が富山を文化の拠点にしたいと考えて譲渡を申し入れます。
その趣旨に賛同し寄付依頼に応じた資産家の馬場はる氏が私財を投じ購入して学校に寄贈。富山大学に現在引き継がれているという訳です。
▼「ヘルン文庫」は、定期的に公開されています。毎月第3水曜日の13時から16時に自由に見学可能です。10月の公開日は15日水曜日です。
朝ドラ「ばけばけ」の放送を機に、日本の文化や伝説を欧米に紹介した小泉八雲の著作(怪談など)に影響を与えた「ヘルン文庫」の蔵書や資料に触れ、
八雲の文筆活動の背景を弄ってみるのも一興かもしれません。
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