連日、ロンドンからオリンピックの熱戦が実況中継されています。
実況アナの苦心を思いつつ、選手の活躍に声援を送っています。
私もかつて、スポーツの実況をしていたことがあります。野球や
ゴルフ、サッカー、ラグビーなどの実況中継を経験してきました。
実況アナにとって大切なことは、その場の情景を正確に描写する
ことができることです。しかし、それと同じくらい、いやそれ以上に
大切なのが、事前の資料の準備です。つまり、備えることです。
先輩アナからは、実況の成否は資料の準備が万全かどうかに
かかっていると教わりました。事前の資料は、データとして用意
するもののほかに、永年の経験から記憶としてストックされている
過去データやエピソードも含まれます。大会のこと、会場のこと、
選手のこと、事前取材した関係者の声、過去の記録・・・などなど、
実況描写を補足する情報をタイムリーに適切に紹介することが
スポーツ実況では大切なのです。
しかし、事前に用意した情報は決して主役ではありません。
実況描写を補完する脇役なのです。脇役が目立ちすぎるのは
主客転倒です。資料にこだわりすぎると実況がおろそかになり、
単にデータの披歴になってしまうことにもなりかねんません。
事前に備えることは大切です。が、頼りすぎるのは禁物です。
スピーチや挨拶についても、同じことが言えるように思います。
スピーチや挨拶を上手にするには、事前の準備が大切です。
ぶっつけ本番でいいスピーチができるはずがありません。
まれに、突然指名されても上手に話す人がいます。しかし、
そんな人達は、日頃から物事に関心を持ち、、話のネタを
絶えず蓄積しているのだと思います。常に備えているのです。
話し上手な人は、日頃から人知れず努力しているのです。
突然指名されてもいいように常にネタ探しをしているのです。
もっとも、スポーツ実況のデータ紹介と同じく、備えたものを
すべて紹介することがスピーチの目標ではありません。
ほどほどが一番。鼻もちならない自慢げな披歴は禁物です。
ところで、8月の鞍田朝夫「話し方教室」は、「ネタを集めて話す」
「いい切り出しと結びで話す」をテーマに開講します。
人前で話す時のネタ探し、「備えるということ」について考えます。
5日と19日の日曜日午前10時から富山県民会館で開きます。
関心のある方は、ぜひ教室を覗いてみてください。教室の概要は、
富山県民会館のホームページに添付掲載してあります。
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