夏の甲子園、わが富山商業高校は、”普段通りの野球”を掲げて
さわやかな活躍を見せてくれました。
初戦は、西東京代表の日大鶴ケ丘高校に2対0で接戦に快勝。
2回戦は、岡山代表の関西高校に3対1で先制勝利。3回戦は、
残念ながら新潟代表の日本文理高校に5対6とサヨナラ負けを
喫したものの、終盤の8回には集中打で一気に逆転し、意地を
見せてくれました。県民挙げて勝利を確信した最終回のまさか
の逆転負けは残念でしたが、大会を通じて”普段通り”を貫いた
ナインの姿が印象的でした。
大会前に抱負を聞かれた前﨑監督は、「今までやってきた”普段
通りの野球”をしたい」とインタビューに答えていたと言います。
甲子園という大舞台は、なかなか”普段通りの野球”をさせてくれ
ない球場です。大観衆の熱い期待と視線、声援と歓声があります。
選手達には晴れの舞台に立った至上の喜びと昂ぶりがあります。
様々なことが”普段通り”を難しくし、それまでできたことをできなく
させてしまうのです。ベンチの監督ですら、冷静に日常を保つのは
至難の業なのだろうと推察します。
高校野球の実況アナウンサーとして、甲子園という念願の舞台で
普段の力を発揮できずに涙を呑んだ幾多のチームを見てきました。
3回戦で惜敗したとは言え今年のわが富山商業は、緊張の舞台で
"普段通り"を着実に実践できた好チームでした。
日頃の猛練習が裏打ちとしてあったのでしょう。夏の甲子園には
16回目の出場という伝統校としてのDNAが物を言ったのでしょう。
初戦を突破した後の森田投手の「甲子園のマウンドは景色がよく、
投げやすかった」という言葉がとても暗示的でした。決して好調で
はなかったようです。故に気負いを捨て景色を楽しんだエースが、
チームを”普段通りの野球”に導いたのかも知れません。
挨拶やスピーチを頼まれたら、決して気負わず、力まず、上がらず
、”普段通り”の話し方をしたいものです。教室は”普段通り”を身に
つけるのに格好の訓練場です。
鞍田朝夫「話し方教室」、9月は、第1日曜日の7日は休講します。
第3日曜の21日は、「話し読み練習法で話す」をテーマに富山県
教育文化会館5階会議室で開きます。関心のある方はぜひ一度
ご見学下さい。
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