8月です。厳しい残暑が予想されます。それにしても、7月は
酷暑の日々でした。気象庁が”災害”だと注意を促すほどの
空前の猛暑でした。そんな中、テレビのニュースや中継などで
「炎天下の中」という表現を何度か耳にしました。
とても気になりました。「炎天下の中」は、二重(重複)表現だと
思います。厳密に言えば間違いだと考えます。
炎天下とは、炎天の下(もと)、つまり、焼きつけるように強い
太陽の日差しの下、という意味です。炎天下の「下」に「~中」
という意味が含まれています。したがって、「炎天下の中」は
二重表現です。「炎天下の下(もと)」は言うに及ばず、です。
二重表現とは、同じ意味の語を重複して使う表現のことです。
典型例が「馬から落馬する」です。他にも、「違和感を感じる」
「尽力を尽くす」「後で後悔する」「挙式を挙げる」「返事を返す」
「被害を受ける」「最後の切り札」「ダントツの1位」「必ず必要」
「元旦の朝」「今朝の朝刊」「一番最初・最後」などがあります。
これらの中には、日頃何気なく使っている二重表現があります。
好ましくないが慣用的に容認されている二重表現もあります。
ですから、日常細かく気にすることではないのかもしれません。
しかし、公共性の高い放送現場では、日頃使う言葉について
つねに神経質であって貰いたいと願うものです。
件の「炎天下の中」について、ニュースで使った当該放送局に
局としての見解を尋ねるべく電話してみましたが、担当部署に
繋いで貰えず考えを聞けませんでした。ニュースの現場では、
記者、デスク、アナウンサーの少なくとも3人が事前に内容や
言葉を吟味し精査しているはずです。その上で「炎天下の中」
という二重表現があえて使われていたのだとしたら、これまで
相応の議論と一定のコンセンサスがあったのでしょう。でも・・・、
「炎天下の中?!」、今のところ、私は”とても気になる派”です。
さて、8月の鞍田朝夫「話し方教室」は、5日と19日の日曜日に
開講します。いずれも、午前10時から12時まで富山県民会館
608号室で開きます。テーマは、5日が「簡潔に話す」、19日が
「具体例で話す」です。入会を考える方の見学を受け付けます。
☎076-431-3248、又は、Eメールkurata2347@gmail.comに
ご連絡いただければ幸いです。
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