2024年7月1日月曜日

毎日の発声訓練の薦め

7月です。梅雨真っ只中、うっとしい日々が続いています。こんな季節だからこそ、すっきりした気分で心地よく一日を踏み出したいものです。 先日、俳優の仲代達矢さんがNHKラジオの早朝の番組で「毎日のラジオ体操とともに、毎日の発声訓練を続けましょう」と呼びかけていました。 ▼仲代さん曰く「ふだん何気なく声を出しているが、発声に少し気をつけて簡単なポイントを意識するだけで、健康によく立派なエクササイズになると言われる。 そして、何より腹から声を出すというのはとても気持のいいものだ」。という訳で、仲代さんお薦めの発声訓練を紹介していました。 ▼仲代さんが発声を大事に考えているのは、舞台の役者は楽器だと思っているからだそうです。 「一番高い音、一番低い音、その間の中音と、いろんな音を出せなくなったら演劇はできない。また、劇場という広い空間で演じるという意味でも声は非常に重要で、 舞台に近いかぶりつきのお客様にも、舞台から遠い2階席や3階席のお客様にも台詞がはっきりと聞こえなければならない。 そのために声を使い分ける。それがプロの技なのだ」。と話していました。 ▼仲代さんの発声訓練は以下の要領です。まず、背筋を伸ばし腕は楽に力を抜いて、腹式呼吸で「あいうえお、かきくけこ、…」。 次に、思いっきり笑ってみる。笑うだけ、ただ笑うだけです。まず最初は中音で「はっはっはっ…」、ちょっと高音で「はっはっはっ…」、 さらに高音で「はっはっはっ…」、そして卑屈な笑いで「ひぃっひぃっひぃっ…」。これを何回か繰り返す。ポイントは楽しむことだそうです。 ▼仲代さんと言えば、若手俳優のための演劇塾”無名塾”を自宅の稽古場で始めた主宰者として知られています。 無名塾は、自己表現を徹底的に追求し演劇の力を最大限に引き出す場として夙に有名です。 仲代さんは、91歳になった今日も孫ほどに歳の離れた若者たちと毎日の発声訓練を続けているということでした。 ▼鞍田朝夫「話し方教室」でも、平成22年の開講以来、話し方向上の一環として発声練習や滑舌練習を出席した受講生全員で行なっています。 話し方で大切なことは、声の出し方、言葉の選び方、話の組み立て方だと考えます。 話した言葉は、書いた言葉のように何度も読み返すことができません。 だからこそ、話をしっかり聞き手に伝えるために日々の発声練習と滑舌練習が話し方の基本のキなのだと思います。

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